五輪3大会金メダルのホワイトが、現役最後の演技を終えた。4位で迎えた決勝3回目。さらに上を目指し、二つ目で高難度の技に挑んだが転倒。ヘルメットとゴーグルを外すと、晴れやかな表情で右手を挙げ、会場の大喝采に応えた。「とても幸せ。全ての人に心の底から感謝したい」。思わず涙があふれた。 男子ハーフパイプで目まぐるしい技の進化の先頭を走ってきた35歳は「人々が不可能だと思うことをするのに、キャリアを費やしてきた」。昨夏には膝の手術を受けるなど、五輪5大会連続出場の過程で酷使してきた体は満身創痍(そうい)だった。 輝かしい実績を積み重ねてきた第一人者は、最後まで勝負にこだわった。「3位だったら2位を求め、2位ならさらに上を求めただろう」。ハイレベルな争いの末に平野歩の金メダル獲得を見届け、「若いライダーたちが私を超えていくところを見たかったんだ」。思い残すことなく、現役生活に別れを告げた。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スノーボード男子ハーフパイプ決勝3回目を終えたホワイト=11日、張家口 〔写真説明〕スノーボード男子ハーフパイプ決勝3回目を終えたホワイト=11日、張家口