平野海は、歩夢の金メダルが決まると、言葉を交わすより先に歓喜のハイタッチ。「こんなにうれしいことがあるのかというぐらい、うれしかった」。兄の偉業を自分のことのように喜び、感情を爆発させた。 8年前のソチ五輪で、当時15歳の兄が銀メダルを獲得した姿に刺激を受け、スノーボードを始めた。努力を重ねて一緒に立てた五輪の舞台では、決勝1回目の最初の技で大ジャンプを披露。会場を大いに沸かせ、「誰よりも飛ぶ、みんなが一目見て『すげえ』と思われるような滑りができた」と満足げに振り返った。 最終滑走の兄は3回目で逆転し、悲願を成就させた。「どんな状況でもずっとストイックにやっていた。勝負強さを見せてくれて、めちゃくちゃ感動した」。スケートボードとの「二刀流」にも挑戦した偉大な兄を持つ19歳は「これから先、兄ちゃんもまだまだいくと思う。(自分は)4年後も8年後も目指すつもり」と決意を新たに話した。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スノーボード男子ハーフパイプ決勝1回目の平野海祝=11日、張家口