昨年のような悔しさは、もう味わいたくない。その覚悟を胸に、巨人の菅野はブルペンに向かった。初日から入るのは3年ぶり。「自分を鼓舞する意味もある。初心に戻るというか、先陣を切っていきたい」と力強い。 体の動きを確かめるように24球を投げた。変化球も交え、「今年のテーマのスライダーもよく曲がったし、真っすぐも大体思ったところに投げられた。あとは出力を上げれば問題ない」。上々の試運転に納得の表情を浮かべた。 昨季は米大リーグ移籍を模索しての渡米などで調整が遅れた。シーズンに入れば故障もあって自己最少の6勝。今オフは練習に集中した。指先の感覚や体のバランスを養うためクライミングも取り入れ、「投げ終わりに倒れず、体重も後ろに残らない。効果を実感している」と言う。 今季は200投球回をクリアし、最多勝と最優秀防御率のタイトル獲得が目標。原監督が「率先して背中を見せてほしい」と望めば、菅野も「前のめりにやりたい」。エースは復権へ向け、活力みなぎるスタートを切った。(宮崎) 【時事通信社】 〔写真説明〕ブルペンで投球練習する巨人の菅野=1日、宮崎市