20歳の戸上が、男子シングルスで初の日本一に上り詰めた。経験豊富な選手を次々と破り、「自分が日本を背負うという覚悟を持っている」。強打が持ち味のプレースタイル同様に、力強く宣言した。  準決勝で東京五輪代表の丹羽にストレート勝ち。決勝でも国際大会で活躍してきた30歳の松平を相手にフォア、バックからの強烈なドライブや、チキータなどで押していった。  強気な発言の裏には、自分を追い込む意識がある。「格上に対しても臆することなくプレーできる。緊張して負けることがなくなった」。決勝で第2ゲームを落とした時も、「焦りを敵に見せてはいけない」と切り替え。プラス思考を貫いた。  パリ五輪に向け、男子日本代表の田勢監督は「実力者を破っての優勝。一番成長している選手」と期待を込め、戸上も「世界に通用する選手になりたい。中国選手を倒せるようになりたい」と言い切った。  見据えるのは代表入りの先。五輪までの残り約2年半、力強い自らのスタイルにさらに磨きをかける。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕男子シングルス決勝、プレーする戸上隼輔=30日、東京体育館
情報提供元: 時事通信社
記事名:「 パリへ期待高まる20歳=強打光った戸上―全日本卓球