早くも桜の花が咲く奄美大島に吉報が届いた。2度目の甲子園出場の知らせを聞き、大島の武田主将は「自分たちだけの力ではなく、島の方のサポートがこの結果につながった」と感謝の言葉を述べた。 昨秋の九州大会で準優勝。エース大野を中心に、守りで流れをつくり、大分舞鶴との引き分け再試合を制するなど、粘り強く戦った。離島で対外試合の機会が限られる中、重視するのが紅白戦。塗木監督は「自分は今、この場面で何ができるのか考えてほしい」との狙いから、サインなどを選手に任せる。養った実戦感覚が接戦で確かな力となった。 部員のほとんどが島内出身。大野は「今までずっと小さい頃から野球をしてきた仲間と一緒に甲子園でプレーできるのを誇りに思う」と感慨深げだった。 2014年に21世紀枠で初出場するも、1回戦で龍谷大平安(京都)に大敗した。それ以降、チームが目標としてきたのは甲子園ベスト8。「島の人たちだけではなく、全国の方々から応援される全力プレーをしたい」と武田。甲子園初勝利にとどまらず、旋風を起こす心意気だ。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕第94回選抜高校野球大会への出場を決め、喜ぶ大島の選手たち=28日、鹿児島県奄美市 〔写真説明〕第94回選抜高校野球大会への出場を決め、選手に胴上げされる大島の塗木監督(中央)=28日、鹿児島県奄美市