回遊魚のマスノスケは川で生まれ、海で成長する。海で数年過ごした後は生まれた川に戻って産卵し、一生を終える。
しかし、干ばつにより川の流れが弱かったり、水温が異常に高かったりすると、サケのライフサイクルが乱れかねない。そこで、カリフォルニア州当局は、ふ化場で育てられた数百万匹の稚魚をトラックで海へ運ぶ「先を見越した対策」を講じている。
サケの陸路輸送は1980年代から行われている。しかし、今夏は早くから干ばつに見舞われていることから、当局は輸送の規模を20%拡大し、4~6月に稚魚1700万匹近くを輸送する計画だ。
稚魚を送るふ化場「フェザー・リバー・ハチャリー」は、サクラメント北部のダムの近くに位置し、故郷の川に戻ってきたサケから年間約800万匹の稚魚を生産する。このふ化場は1967年、オロビルダムの上流にあった自然の産卵場所が破壊されたことに伴い建設された。
カリフォルニア州では今年、すでに58郡中40郡以上に干ばつの非常事態宣言が出されている。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/06/07-11:33)
情報提供元:
記事名:「 サケ、陸路で海へ 干ばつでトラック輸送作戦が本格化 米 」