動物愛護団体は、エマニュエル王子が3月、オーストリアの自邸からルーマニアに狩りに来た際、同国「最大」とされる17歳の雄のヒグマ「アルトゥール」を射殺したと非難している。
ルーマニア国家環境監視庁(NEG)のオクタビアン・ベルセアヌ長官はAFPに対し、書類の不備が発覚したため、中部に生息する保護種のクマ1頭の死について先月29日に調査を開始したと説明した。
同氏は「雌のクマが駆除されることになっているのは知っていたが、発見したのは(死んだ)雄のクマだった」と述べた。クマの死骸は国内にあるという。
NEGを監督するバルナ・タンツォシュ環境相は、コバスナで住民を脅かしていた雌クマの狩猟許可は下りていたと述べたが、誰に許可したのかは明らかにしなかった。
ルーマニアの環境保護団体「エージェント・グリーン」と工場畜産に抗議するVGTのオーストリア支部は、射殺されたのはアルトゥールだと断定している。アルトゥールは長年、自然保護区でエージェント・グリーンのレンジャーが観察していた。
エージェント・グリーンのガブリエル・パウン代表は、「アルトゥールは、ルーマニアだけではなく欧州連合(EU)でも、確認されているヒグマとしては最大だった」と述べた。
パウン氏は「王子は村の住民が抱える問題を解決するために来たのではなく、クマを殺して、最大の勲章として壁に飾るために来たことは明らかだ」と主張している。
AFPはエマニュエル王子の家族がオーストリアに所有する城の事務所に取材したが、回答は得られなかった。
リヒテンシュタインのアロイス皇太子側はAFPに対し、「個人的な問題」であり、経緯を把握していないと述べた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/05/07-12:15)
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記事名:「 リヒテンシュタインの王子、ルーマニア「最大」のヒグマ射殺か 」