【ベオグラードAFP=時事】セルビアの首都ベオグラードに登場した中世王子の巨大像が論争を巻き起こしている──歴史的な人物をたたえるものか、それとも街並みを乱す「巨大なキッチュ」なのか──と。(写真はセルビアの首都ベオグラードに登場したステファン・ネマニャ王子の巨大像)
 論争となっているのは、セルビア王国を建国した人物として知られる12世紀のステファン・ネマニャ王子をモデルにつくられた銅像だ。明るい光で照らされた銅像の高さは23メートルを超える。除幕式が27日に行われた。
 王子の巨大像について、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領は、今まで見たこともない「最も美しいものだ」と称賛。数百人が参列した除幕式で「このモニュメントは大きい。なぜならわが(国の)歴史が大きいからだ。そして重い。わが(国の)歴史がしばしばそうであったからだ」と語った。
 だが、これとは反対の意見も多い。歴史家や芸術家、建築家らは、銅像があまりにもけばけばしいため、本来それが表すべき歴史が「矮小(わいしょう)化」されていると批判的だ。
 また、ソーシャルメディアでは、映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの登場人物「サルマン」が「チョコエッグの上に立っている」ようだと皮肉る書き込みも見られた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/01/29-16:23)
情報提供元:
記事名:「 美しい? キッチュ? 中世のセルビア王子の巨大像に賛否両論