英国のEU離脱に不満を持つ人は多く、居住や行政手続きなどの問題に直面する人もいる。しかし、スペイン南部の村ヒメラデリバルにあるバーでは、この不運を最大限に利用することにした英国人らがパーティーに集まった。
皮肉まじりのパーティーには、フィッシュ・アンド・チップスやビーンス・オン・トーストなどの英国人が大好きな料理がずらりと並んだ。
「私たちの大部分はすべてに満足しているわけではないが、一応(EU離脱を)祝った方がいいかなと思い、楽しんでいる」と話すのは、このバーを経営する英国人のポール・ ダーウェントさん(65)だ。
20年以上スペインで暮らすダーウェントさんは、「実際には、私たち全員にたくさんの問題をもたらすだろう」と述べた。
スペインにはEU加盟国で最多となる英国人約37万人が届け出て住んでいる。届け出をせずに住んでいる英国人も数千人いると考えられている。
新型コロナウイルスの感染防止措置により、パーティーはバーのテラスで開かれた。会場には英国とスペイン、EUのそれぞれの旗が飾られ、バーと化粧室の入り口はEU加盟国の市民用と非加盟国の市民用に分かれていた。
パーティーでは、コミュナーズの「Don't Leave Me This Way」とヴェラ・リンの「We'll Meet Again」が生演奏された。
ハイライトは英国人男性4人と、デンマーク、フランス、オランダ、スペイン出身の男性4人による綱引きだ。英国チームが地面に倒れ込み、EUチームが勝利すると、拍手と歓声が起きた。
スコットランド出身で20年近くスペインに暮らす教師のイレーン・ギルフィレンさんは、「一緒であるべきだった。私たちは一つの大陸だ。英国人はこの結果に苦しむことになると思う。誰にとっても好ましくない」と話した。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/01/04-11:13)
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記事名:「 英国流? スペイン在留者ら、皮肉まじりのEU離脱パーティー開催 」