フランスは20日、英国からの入国を全面的に禁止。これにより、5000台以上のトラックが、英仏海峡の貨物輸送の要であるドーバー港付近で待機を余儀なくされた。
足止めされたトラック運転手の一人、ポーランドのパトリツィア・シェブチックさんは「シャワーも飲み水もなく、2日間ここにいる」と話し、運転手らには食べるものもないと訴えた。
南東部ケントにある旧マンストン空港の外では、ロータリーをふさぎ抗議活動を行っていた運転手数十人と警察の間で小競り合いが起こった。運転手らはシュプレヒコールを上げ、腕を振り上げ、警官ともみ合いになった。黄色いレインコートを着たシェブチックさんも抗議活動に参加していた。
現場にいたAFP記者によると、警察は男性1人を警察車両に押し込むと、他の運転手らに自分の車に戻り、新型ウイルスの検査を待つよう説得した。
ケント警察は、マンストンとドーバーで発生した「騒ぎ」に対応したとし、ドーバーで高速道路の往来を妨害したとして男1人を逮捕し、現在も拘束していると述べた。
旧マンストン空港を管理する運輸省は、トラック運転手らが食料を入手し、必要な設備を使えるよう手配していると述べている。
運転免許庁によると、23日時点で旧マンストン空港には3800台、その他の施設には1242台が駐車していた。
フランスは22日夜、検査で陰性だった人の入国を認めると発表。これを受け英当局は、足止めされている運転手らに40分以内に結果が出る新型ウイルス検査を実施すると明らかにした。また、英国防省は検査支援のため、兵士170人を派遣する計画だ。
混乱の解消には数日かかる見込みで、運転手らは25日のクリスマスも家には帰れないと嘆く。
旧マンストン空港に駐車しているポーランド人男性運転手は、「とても幼い」2人の子どもと離れてクリスマスを過ごさなければならないと、声を詰まらせながら訴えた。「家に帰りたい」 【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/12/25-12:36)
情報提供元: