特集「令和IPO企業トップに聞く ~ 経済激変時代における上場ストーリーと事業戦略」では、IPOで上場した各社のトップにインタビューを実施。コロナ禍を迎えた激動の時代に上場を果たした企業のこれまでの経緯と今後の戦略や課題について各社の取り組みを紹介する。




(画像=株式会社property technologies )






濱中 雄大(はまなか・たけひろ)――株式会社property technologies 代表取締役社長


拓殖大学政経学部卒。1988年大手不動産会社に入社。卓越した手腕で本部長として全国拠点の新規展開を牽引。2000年12月に独立し株式会社ホームネットを設立。開発、売買、賃貸と不動産取引全般に亘る知識と豊富な経験を有する。









株式会社property technologies


「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」というミッションを掲げています。年間33,000件超の不動産価格査定実績やグループ累計約12,000戸の不動産販売で培ったリアルな取引データ・ノウハウを背景に、「リアル(住まい)×テクノロジー」で実現する誰もが、いつでも、何度でも、気軽に住み替えることができる未来に向け、手軽でユーザーにとって利便性の高い不動産取引・サービスを提供しています。







創業から上場までの事業変遷




(画像=株式会社property technologies )



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それではまず、これまでの創業の経緯と事業の変遷について教えていただけますか?


株式会社property technologies 代表取締役社長・濱中雄大氏(以下、社名・氏名略)
私は新卒から約12年間アパートの建築販売を経験した後、2000年に独立し、不動産関連事業を営む株式会社ホームネットを立ち上げました。


当時は欧米と日本の住宅市場は大きく異なっており、欧米では新築住宅と比較し、中古住宅のリノベーションに重点が置かれていました。一方で新築信仰が根強かった日本では、土地の制約、建築資材の高騰、人材不足が将来的に住宅市場の課題になってくるだろうと考え、欧米のような中古住宅のリノベーション事業へのシフトを検討し始め、2010年にはこれまでの事業をすべてやめて、中古住宅のリノベーション事業に特化することに決めました。


2013年からは、事業のIT化の推進に着手し、仲介会社からの情報や当社グループの査定・売買の情報をもとに、最終的にいくらで買うと利益がどれだけ出せるか、というデータを蓄積してまいりました。そういった多くの不動産情報を取り扱う中で、不動産会社とお客様との間における情報の非対称性に課題を感じ、その解決策として、テクノロジーを活用した透明性の高い不動産取引ができる世の中を創るため、2020年に当社を設立いたしました。


ーー
テクノロジーの活用に関して、具体的にはどのような取り組みが行われていますか?


濱中
具体的な取り組みとしては、膨大なデータと自社開発のAIを活用した中古再生住宅の売買になります。当社グループでは年間で約1,300件の中古住宅を買い、約1,000件のリノベーション住宅を販売しています。また、昨年の実績では、全国の仲介会社を中心に、33,000件を超える情報を収集しています。


そして、2021年には、一般顧客向けに中古住宅の買取及びリノベーション住宅の販売を主とするiBuyer(アイバイヤー**オンライン買取再販)プラットフォーム「KAITRY(カイトリー)」をリリースしました。このプラットフォームではこれまで蓄積してきた膨大なデータを活かしたAI査定機能を搭載しており、物件名や間取りなどを入力するだけで、最短5秒で物件の相場と査定価格を提示できるようになっております。


また、一般に公開されている不動産の価格というのは売主が希望する「売りたい価格」で、「実際に売れた価格」ではありません。この「実際に売れた価格」のデータは希少性が高いものとなっていますが、当社グループは自ら不動産の売買をしていますので、その蓄積する膨大なデータには、「実際に売れた価格」を含んでおり、「KAITRY」では売主が「売りたい価格」ではなく、「当社グループが実際に買取る価格」を即座にお伝えできる点に強みを持っています。お客様からも、住み替え計画が立てやすくなったと、ご好評をいただいております。


そもそもエクイティを活用しようと考えた背景や思い


ーー
エクイティを活用しようと考えた背景や思いについてお聞かせいただけますでしょうか


濱中
更なる事業拡大を見据え、人材確保やテクノロジー強化にエクイティを活用しています。
ありがたいことに、当社グループは現在84行の金融機関とお付き合いさせていただいており、資金調達においてはエクイティの魅力をそれほど感じていませんでした。ただ、これから先、中長期的な成長のためには、エンジニアの採用・育成やマーケティング、テクノロジーの活用が重要であり、エクイティを活用することでより積極的に必要な資金を調達できるようになると考えました。加えて、ユーザー視点での安心・安全、信用力の担保のために上場するに至りました。


今後の事業戦略や展望




(画像=株式会社property technologies )



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続いて、将来の展望についてお聞きしてよろしいでしょうか?


濱中
当社グループの主要な事業である中古住宅のリノベーション事業において拠点を拡大しつつ、テクノロジーの活用及び開発を積極的に進めていきます。現在、約30名の専門チームが不動産に関連する課題に対しテクノロジーを用いて解決することに取り組んでおり、これが今後の成長の鍵になると考えています。


また、DX推進においては、当社グループのホームネットで日々行われている仲介会社から中古住宅の査定依頼・返答、というやり取りにおいて、これまでは、新人営業員ですと過去のデータを基に約5時間をかけて返答していたところ、AI査定により5秒で買取価格を算出、あとは検証のみですので、返答時間を30分程度に短縮させることが可能となりました。


さらに、金融機関向けの業務の効率化や高度化を支援する「KAITRY finance(カイトリー ファイナンス)」というサービスも開始しました。金融機関で多大な時間がかかっていた不動産価格調査において、AI査定により5秒で一般市場価格を提示できますので、業務効率化にご活用いただいております。
今後もより多くの金融機関の方々に活用していただけるよう取り組んでまいります。


ZUU onlineのユーザーに一言


ーー 最後にZUU onlineのユーザーに向けて、一言いただければと思います。


濱中
私たちは今後も、テクノロジーの活用戦略を強化しながらも、リアルな売買を強みとして、事業を拡大していこうと考えております。
現在、不動産業界は金利の上昇懸念などで様子見状態が続いていると考えていますが、今後も都市圏を中心にまだまだ需要は継続すると考えています。その上で、当社は中長期的な戦略や計画を投資家の皆さんにしっかりと伝え、その戦略や計画をしっかり実行することで、更なる成長を続けていきますので、ご期待いただければと思います。



氏名

濱中 雄大(はまなか たけひろ)

社名

株式会社property technologies

役職

代表取締役社長

情報提供元: NET MONEY
記事名:「 AIで不動産売買を改革:「リアル」を強みにさらなる事業拡大を