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まず、ダイバーシティ経営に関する基本的な考え方として、当社では「多様性」を大切にしています。当社グループは、世界約20カ国で石油・天然ガスの開発・生産やネットゼロ分野でのプロジェクトを推進しており、各国との良好な関係性を保つこと、各地域を理解し事業を展開させていただいていることへの感謝と、地域の人々へのリスペクトが重要であると考えています。このような考えのもと、グローバル企業として多様な人材を活用し、価値観を共有できる人材の育成が重要だと考え、ダイバーシティ経営に取り組んでいます。
さらに、当社では役員・社員が一体となって働くための共通の価値観として、「安全第一」「誠実」「多様性」「創意工夫」「協働」の5つのINPEXバリューを定め、人事制度などに反映させ、さまざまな取り組みを行っています。
苦労した点は、女性の活躍推進と、そのための意識改革です。当社の女性管理職比率は2022年12月末で3.6%と低い水準です。現在、女性執行役員が一名おり、海外拠点のManaging Directorを務めていますが、次の女性リーダーがなかなか現れない状況です。背景にはそもそも女性社員が少ないため女性社員比率が低いという点もありますが、女性管理職の比率をより一層高めていきたいと考えています。
そのための意識改革として、自由かつ活発に意見を出し合える組織の構築を進めるとともに、ジェンダーなどに関するアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の解消にも取り組んでいます。具体的には、専門家を招いてアンコンシャスバイアスに関するセミナーを開催し、参加者からは総じてポジティブな反応を得ることができました。実際に私自身も参加し、アンコンシャスバイアスに気づくことができたのは非常に大きな収穫でした。このような活動は、心理的安全性の向上やアンコンシャスバイアスの解消に繋がると考えており、引き続き取り組んでいくべきだと思っています。
会社にとって最も大切な経営資源は「人」であり、そのスキルアップを応援することが重要です。一方、社員ひとり一人も自律的に学ぶ姿勢が必要であり、会社はそれに対してフルサポートをするべきだと考えています。当社では、今回一般事務職と総合職を一本化しましたが、元々一般事務職だった方でもやる気や能力のあるポテンシャルを秘めた方は多いので、必要な研修やセミナーへの参加を通じてスキルアップし、当社に貢献してもらいたいと思っています。障がい者の雇用についても、当社は積極的に対応しています。法定雇用率はクリアしており、障がいを持つ方が様々な部門で活躍しています。
また、今後の人的資本向上に向けて、引き続き次の2つの取り組みを行っていこうと考えています。
まず1つ目は、働きやすい環境の整備です。これには、社内の設備を整えるなどの物理的な面と、お互いに意見が言いやすく、風通しが良いなどの精神的な面の両面が重要です。心理的安全性の高い職場では、生産性も上がり、社員一人一人が会社への貢献を実感し、やりがいを感じることができエンゲージメントの向上に繋がると考えています。
2つ目は、社員ひとり一人が成長できる環境を作ることです。そのためには、研修やセミナーの提供はもちろんですが、現場経験の場なども積極的に与えていきたいと思っています。社員のスキルアップは、結果として会社にとってもプラスになりますので、社員と共に成長していく会社を目指したいと思います。
社員が生き生きと働きがいを感じられる職場であり、自由に意見が出し合える組織であることが理想だと思っています。また、私から社員に期待する点としては、チャレンジ精神を持ち、自分で考え行動できる人物であることが望ましいと感じています。ぜひ、夢や志を持ち続けていただきたいです。