明治アプリケーションセンターにおける商品開発支援への活用を推進



 株式会社 明治(代表取締役社長:八尾 文二郎)は、咀嚼プロセスシミュレータ「ORAL-MAPS®/オーラルマップス®(以下オーラルマップス®)」(図1)を用いて、チョコレートの食感のうち、口どけの良さと関連する「溶け出しの早さ※1」、濃密な食感と関連する「もたつく感じ※2」や「ねっとり感※3」といった人が口の中で感じる食感を、機器によって多面的に定量評価できる新しい指標を見出しました。これにより、目標とする食感に向けた試作品の比較や配合検討を効率化し、商品開発の高度化・迅速化につながることが期待されます。



 本研究成果は、2026年8月27日に開催された日本食品科学工学会第73回大会において発表しました。



  【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202610228463-O4-26U118Gh】





図1.オーラルマップス®



【研究成果の概要】



・食品を押しつぶすときにかかる垂直方向の力(荷重※4)に加えて、今回新たに食品を押しつぶしながら回転させるときにかかる回転方向の力(トルク※5)を同時に計測することによって、チョコレートの新たな食感の評価が可能になりました。



・物性の異なる3種類のチョコレート(スタンダード、高カカオ、ミルク)を対象に、オーラルマップス®で取得した荷重から計算される「食品を押しつぶすための総合的な力の大きさ(力積※6)」 と、「総合的な付着の強さ(付着力積※7)」およびトルクの模擬咀嚼中の推移から複数の新たな食感を評価する指標を算出しました。



・「溶け出しの早さ」は力積の傾き、「もたつく感じ」はトルクの最大値、「ねっとり感」は付着力積とトルクを組み合わせた指標との関係が認められました。



 



【研究成果の活用】



 当社はこれまで、咀嚼プロセスシミュレータ オーラルマップス®を用いて、食品が口の中で変化する過程を再現しながら食感を評価する研究に取り組んできました。



 今回の研究では、従来から用いている垂直方向の力に加え、回転方向の力を同時に計測し、それぞれの指標を単独だけでなく、複数組み合わせることで、1回の測定で複数の食感を評価できる可能性を示しました。これにより、試作品の比較や配合検討をより効率的に進めることが可能となり、商品開発のスピード向上につながることが期待されます。



 



【明治アプリケーションセンターの役割とオーラルマップス®の利用】



 明治アプリケーションセンター(以下APC)は、製菓製パン、外食業態、食品加工メーカーなどのお客さまに対し、レシピ・メニュー開発に加えて、独自の評価データを活用した提案を行う拠点です。APCは2025年にオーラルマップス®を導入し、高精度な食感評価を通じて、お客さまの商品開発を支援してきました。 今回の研究成果により、お客さまの商品特性の把握や試作品の比較評価を高度化・効率化するとともに、目標とする品質の実現に向けた食品設計や配合検討など、データに基づくソリューション提供を強化してまいります。



 



※1 溶け出しの早さ:官能評価の項目。チョコレートが溶け始めるタイミングの早さとして評価。



※2 もたつく感じ:官能評価の項目。チョコレートが溶け始めたときに感じる口の中での抵抗感として評価。



※3 ねっとり感:官能評価の項目。チョコレートが溶けたときの粘性が高く、舌に絡みつくような感じとして評価。  



※4 荷重:食品を押しつぶすときにかかる力。



※5 トルク:食品を押しつぶしながら回転させるときにかかる力。



※6 力積:荷重×時間で計算される指標。食品を押しつぶすための総合的な力の大きさ。 



※7 付着力積:付着の力の大きさ×時間で計算される指標。総合的な付着の強さ。



 



発表内容



【タイトル】



荷重・トルクの同時計測による咀嚼シミュレータORAL-MAPS®を用いた多面的食感評価



 



【方法】



・ORAL-MAPS®を用いて物性の異なる3種類のチョコレートを測定し、模擬咀嚼中の荷重およびトルクの時間変化を取得しました。



・荷重データから力積および付着力積を算出し、トルクとあわせて複数の特徴量を抽出しました。



・官能評価では12名のパネルが食感を7段階で評価し、機器分析結果との関係を解析しました。



 



【結果】



 模擬咀嚼における力積の初期傾き、トルクの最大値、および付着力積とトルクを組み合わせた複合指標は、それぞれ「溶け出しの早さ」「もたつく感じ」「ねっとり感」と関係が認められました(図2)。



 



【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202610228463-O7-q8Vjwo89】



図2.官能評価とオーラルマップス®から得られた食感指標の関係



 



【考察】



 荷重だけではなくトルクを計測し、さらに両者を組み合わせた指標を用いることで、従来の圧縮挙動だけでは捉えられなかった「もたつく感じ」や「ねっとり感」といった食感を多面的に評価できる可能性が示されました。



 



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 オーラルマップス®による食感評価技術が拡張、チョコレートの口どけや濃密な「ねっとり感」などを多面的に定量評価する新指標を開発 」