「AIが雇用に及ぼす影響」に関する企業調査や労使学識ヒアリング結果を取りまとめ



「AIが雇用に及ぼす影響」に関する

企業調査や労使学識ヒアリング結果を取りまとめ ~日本生産性本部、「生産性年次報告2026」を公表~



 



調査研究や提言、実践活動により生産性向上を目指す(公財)日本生産性本部(東京都千代田区、理事長:前田和敬)は、9月30日、「生産性年次報告2026」を取りまとめ、公表しました。「生産性年次報告」は2022年から発行しており、今回で4回目となります。



本年次報告は、日本の生産性向上に不可欠なイノベーションを起こす環境づくりに向けて調査・提言を行う「イノベーション会議」(座長:大田弘子 副会長/政策研究大学院大学学長)の活動をまとめ、当本部で実施した生産性に関連する調査や統計データとあわせて公表するものです。



イノベーション会議では、2025年より「AIが生産性と雇用に及ぼす影響」をテーマに研究を行っています。まずは「AIが雇用にどのような影響を及ぼしつつあるか」に焦点を当てた研究を先行し、企業を対象としたアンケート調査や、企業・労働組合や有識者へのヒアリングを行いました。これらの調査・ヒアリングの結果と識者による論稿を、中間報告として本年次報告に掲載しています。



 



AIが雇用等に与える影響に関する企業アンケート調査(年次報告P.28~46)



日本生産性本部の人事関連諸活動に参加する企業を対象に、AIの普及による雇用・人材採用・人事評価・働き方等への影響に対する認識や今後の見通しを把握することを目的としたアンケート調査を実施した。



主な結果は以下のとおり。



・調査対象企業のうち、7割超の企業が全社的にAIを導入しており、導入してから1~3年になる。目的は業務の効率化や自動化が中心で、「AI を前提としたビジネスモデルへの転換」と回答した企業は45.5%。



・AI導入により、半数超の企業が今後5~10年後の会社全体の従業員数の減少を見込んでいるが、現状での従業員数への影響は9割以上の企業がないと回答している。



 



AIが雇用等に与える影響に関するヒアリング調査(年次報告P.47~56)



社内AI活用を積極的に推進している企業2社、および産業別労働組合2組織へのヒアリングを実施した。



主な発言は以下のとおり。



・汎用的な事務を担う社員の採用は将来的に抑制方向になると考えられるが、現時点では採用を減らしてはいない。AIの変化が速く、今後採用にどのような影響が生じるか現時点では判断するのが困難。



・現時点で雇用量にほとんど変化がないが、求める人材の質には変化が起こりつつある。今後は、課題処理能力だけではなく、課題設定力や仕組みを変える創造的な仕事に力を発揮できる能力が重要である。



・AIを使いこなす人材とそうでない人材とで格差が広がるという懸念がある。将来的に生成AIの重要性がより高まった場合、生成AIに距離を置いている人が不利に判断される可能性がある。



 



AIが社会・ビジネスに与えるインパクトについての有識者ヒアリング(年次報告P.57~70)



「AIと生産性・雇用・社会との関係」「生成AIが労働者個人に与える影響」「AIガバナンスのあり方」等について、有識者ヒアリングを実施した。主な発言は以下のとおり。



・AI導入による生産性向上の効果は、対象業務、導入方法、検証体制、組織文化等に左右される。



・反復的・定型的業務は代替が進みやすく、若手の経験形成不足や、雇用縮小の可能性がある。



・生成AIによるパフォーマンス向上は、利用者が高いドメイン専門性(特定分野の専門知識、経験、判断力など)を持つことで実現するが、日本はその低さが弱みになり得る。



・AI活用にあたり、リスキリング、問いを立てる力、検証する力、リスクを把握する力が重要。



・社会的に行って良いことかの判断をAIに委ねると、「誰のための判断か」が不透明になる。



・ガバナンスはAI利用の抑制だけではなく、安全な活用拡大を支える基盤として重要である。



 



「生産性年次報告2026」目次



第1部  AIと雇用・生産性(イノベーション会議 中間報告)



1.AIが雇用に及ぼすインパクト(総括)



    大田弘子・日本生産性本部副会長、政策研究大学院大学学長



2.AIと生産性に関するこれまでの分析紹介(論稿)



   ・AIは生産性にどのような影響を与えるか?



     森川正之・機械振興協会経済研究所長



   ・生成AIが労働者の能力・雇用に与える影響



     木村琢磨・昭和女子大学総合情報学部教授



3.AIと雇用(企業の現状)



 (1)「AIが雇用等に与える影響」に関する企業アンケート調査結果



 (2)「AIが雇用等に与える影響」に関するヒアリング調査結果



    ・株式会社リコー



    ・損害保険ジャパン株式会社



    ・全国生命保険労働組合連合会



    ・全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会



4.AIが社会・ビジネスに与えるインパクト(有識者ヒアリング)



   ・馬奈木俊介・九州大学大学院工学研究院教授



   ・江間有沙・東京大学国際高等研究所東京カレッジ准教授



   ・木村琢磨・昭和女子大学総合情報学部教授



   ・羽深宏樹・京都大学大学院法学研究科特任教授



 



第2部  生産性に関する調査、研究レポート



1.第2回生産性白書(総論)



2.レジャー白書「レジャー白書2025」



3.メンタルヘルス「第12回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果」



4.生産性課題に関するビジネスパーソンの意識調査「第4回生産性課題に関するビジネスパーソンの意識調査」



5.働く人の意識調査「第18回働く人の意識調査」



6.人的資本経営「上場企業の人的資本経営の浸透・従業員認知に関する調査(速報版)」



7.JCSI「2025年度JCSI調査年間発表」



 



第3部  生産性に関する基礎データ



1.労働生産性の国際比較2025



2.日本の労働生産性の動向2025



3.労働生産性統計(2026年3月実績)



 



【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609246538-O1-6g02ON16】



「生産性年次報告2026」本文は、日本生産性本部の調査研究・提言活動サイトにてご覧いただけます。



 



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 日本生産性本部、「生産性年次報告2026」を公表 」