本件のポイント
• 文学部村岡教授は1998年からモンゴルの碑文学や遺跡調査に従事し、モンゴル帝国および元朝時代の碑文・遺跡の現地調査や研究を推進する日本モンゴル共同プロジェクトに参加
• モンゴルと日本の学者間の共同研究および人的交流において重要な役割を果たしたことが高く評価され、モンゴル国における最高勲章の一つである「ナイラムダル(友好)勲章」を受賞
• 龍谷大学は、古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター(DARC)と共に、調査費用の助成やレプリカ作成費用の助成等により活動を支援

本件の概要
龍谷大学文学部の村岡倫教授が、モンゴル国より最高勲章の一つである「ナイラムダル(友好)勲章」を受章しました。本勲章は、2024年11月25日付のモンゴル国大統領174号令に基づくもので、長年にわたるモンゴルでの研究活動と、日本とモンゴル間の共同研究や人的交流への貢献が評価されたものです。
村岡教授は1998年からモンゴルでの研究を開始し、碑文学や遺跡調査に従事し、モンゴル帝国および元朝時代の碑文研究を中心に、歴史学や考古学の分野で多くの成果を上げてきました。2016年には、本学農学部の中田裕子准教授を研究代表者として獲得した日本学術振興会の科学研究費助成事業(科研費)による調査で、モンゴル西部ハルザンシレグ遺跡で13世紀の仏像の一部を発見しました。仏像やその他の出土品は、その後、国際社会文化研究所など龍谷大学の支援を受けて、切り出し・運搬・保管、首都ウランバートルの博物館での展示を経て、現地の文化センターに寄贈しました。この発見は、モンゴル帝国時代の仏教文化を示す貴重な資料となっています。
また、2022年にはモンゴル帝国時代の旧都カラコルムにあった仏教寺院「興元閣」の修建を記念して立てられた「勅賜興元閣碑」のレプリカを、龍谷大学世界仏教文化研究センターと古典籍・デジタルアーカイブ研究センター(DARC)の助成を受けて作製しました。現在はカラコルム博物館の入口前に設置されています。この碑文はモンゴル語と漢語を記す合壁碑文で、カラコルム城建設、興元閣建立の経緯、当時のモンゴルにおける仏教信仰が記されるなど貴重な歴史資料です。しかし、モンゴル帝国滅亡後に破壊され、現在はいくつかの断片が残されているだけあり、モンゴル国では、かねてより碑文のレプリカ作製は重要な文化事業として位置づけられていたのですが、長く実現できないままでした。

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502274800-O1-7nMI9wJ4

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502274800-O3-Eng1db6B

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502274800-O2-Ua9FN21Q

 
各取り組みの詳細は以下からご覧いただけます。
・モンゴル西部ハルザンシレグ遺跡で13世紀の仏像の一部を発見
モンゴル西方部の土城跡から仏像の足部・手部を発見 ―仏教伝来の新たなルートの発見に繋がる可能性も
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-515.html

・「勅賜興元閣碑」のレプリカ作製
モンゴル国「勅賜興元閣碑」石刻復元への協力【古典籍・文化財デジタルアーカイブ研究センター】
https://darc.ryukoku.ac.jp/blog/news/news-150/

村岡教授のコメント
今回の受章は、本学のこのような大学をあげての取り組みがモンゴル国で十分に認識されている結果であり、私は龍谷大学を代表して受章したものと理解しています。お力添えいただいた皆様には深く感謝を申し上げる次第です。モンゴルにはまだまだ調査・研究すべき課題、あるいは支援が必要な文化事業も多く、今後もそれらに貢献しつつ、モンゴル帝国史の研究を継続していきたいと思っています。

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 村岡 倫 文学部教授がモンゴル国から最高勲章の一つである「ナイラムダル(友好)勲章」を受章