2024年12月20日
アッヴィ合同会社

アッヴィ、ベネトクラクスについて、未治療の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の治療薬として、日本における承認事項一部変更承認を申請

ー 日本での慢性リンパ性白血病(CLL)の推定総患者数は約6,000人1と報告されており、日本では患者数の少ない稀な疾患
ー 未治療のCLLおよび小リンパ球性リンパ腫(SLL)を対象とした国内第II相試験と海外第III相試験のデータなどから得られた結果に基づく申請
ー ベネトクラクスは、これまで日本において再発または難治性のCLL(SLLを含む)および急性骨髄性白血病(AML)の適応症に対する治療薬として承認取得

アッヴィ合同会社(本社:東京都港区、社長:ティアゴ・カンポス ロドリゲス)は、本日、ベネトクラクスについて、国内における未治療の慢性リンパ性白血病(Chronic Lymphocytic Leukemia: CLL、小リンパ球性リンパ腫(Small Lymphocytic Lymphoma: SLL)を含む)に対する承認事項一部変更承認を申請しました。ベネトクラクスは、B細胞リンパ腫2(BCL-2)と呼ばれる体内の特定タンパク質を標的とする経口BCL-2阻害剤で、がん細胞で失われてしまったアポトーシスというがん細胞の自然死または自己破壊の過程を回復させる作用があります。日本においてベネトクラクスは、2019年9月に再発または難治性のCLL(SLLを含む)の適応症に対する治療薬として、製造販売承認を取得しています。2020年6月には、急性骨髄性白血病(AML)に対する希少疾病用医薬品指定を厚生労働省より取得し、2021年3月にAMLの適応症に対する治療薬として製造販売承認を取得しています。

CLLは、欧米では最も多く見られる白血病であり、成人の白血病全体の約30%を占めています2。しかし、日本でのCLLの推定総患者数は約6,000人1と報告されており、日本では患者数の少ない稀な疾患です。CLL診断時の年齢中央値は70歳3で、発症率の男女比では女性よりも男性に多いとされています3,4。予後不良のリスクが高い患者さんにおいては、遺伝的要因を有する患者さんが含まれます。SLLについては、末梢血や骨髄への浸潤がないCLLと同一の細胞の腫瘍と定義されています。多くは緩徐な経過を示しますが、一部に進行が速く、予後不良なものがみられます5。

未治療のCLL患者さんに対する治療法の選択は、年齢、併存疾患および遺伝的要因などを考慮して決定されます。既存の治療法は長期間にわたる投与が必要であり、毒性や疾患の進行、服薬遵守が課題となり、治療継続が困難な場合があります。しかし、海外と比較し、日本では未治療のCLLおよびSLLの患者さんに対する一次治療の適応をもつ治療薬は限定されているのが現状です。このような背景から、未治療のCLLおよびSLLの患者さんに対して、長期的な臨床転帰の改善を固定投与期間で示すことができる新たな治療選択肢へのアンメットニーズがあると考えられます。

今回の申請は、未治療のCLLおよびSLL患者さんを対象とする日本国内第II相試験(M20-353)、海外実施の第III相試験(BO25323 およびCLL3011)などの結果に基づいています。

国内第II相試験(M20-353)
未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)および小リンパ球性リンパ腫(SLL)の日本人患者さん(20名)を対象に、ベネトクラクスおよびオビヌツズマブまたはベネトクラクスおよびイブルチニブの併用投与による安全性および有効性を評価する第II相試験です。本試験概要はhttps://jrct.niph.go.jp/ (jRCT2021210055) にてご覧ください。

海外第III相試験(BO25323)
未治療のCLL患者さん(432名)を対象に,ベネトクラクスおよびオビヌツズマブの併用投与の安全性および有効性をオビヌツズマブとchlorambucilの併用投与と比較する多施設共同での無作為化非盲検比較対照の海外第III相試験です。本試験概要はhttps://www.clinicaltrials.gov/ (NCT02242942) にてご覧ください。

海外第III相試験(CLL3011)
未治療のCLLおよびSLL患者さん(211名)を対象に、ベネトクラクスおよびイブルチニブの併用の安全性および有効性をオビヌツズマブとchlorambucilの併用投与と比較する多施設共同での無作為化非盲検比較対照の海外第III相試験です。本試験概要はhttps://www.clinicaltrials.gov/(NCT03462719) にてご覧ください。

ベネトクラクスについて
ベネトクラクスは、B細胞リンパ腫2(BCL-2)タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤です。一部の血液がんでは、BCL-2がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的とし、アポトーシスの過程を回復させる作用があります。

ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。これらの企業が共同でBCL-2研究に取り組んでおり、種々の血液がんおよび他のがんを対象に、複数の臨床試験でベネトクラクスを評価しています。ベネトクラクスは、米国を含め80を超える国で承認されています。

アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。FacebookInstagramX(旧TwitterYouTubeLinkedInでも情報を公開しています。

日本においては主に、免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がん、アイケアの領域、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスのポートフォリオで、製品の開発と提供に取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.co.jpをご覧ください。FacebookYouTubeでも情報を公開しています。

1.政府統計の総合窓口(e-Stat).統計でみる日本.患者調査.令和2年患者調査.確定数 全国編 閲覧(報告書非掲載表),閲覧第119表 総患者数,傷病基本分類別https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0004002720
2.Siegel RL, Miller KD, Fuchs HE, et al. Cancer statistics, 2021. CA Cancer J Clin. 2021;71:7-33.
3.National Cancer Institute: SEER cancer stat facts: Chronic Lymphocytic LeukemiaAvailable from: http://seer.cancer.gov/statfacts/html/clyl.html
4.Hallek M, Al-Sawaf O. Chronic lymphocytic leukemia: 2022 update on diagnostic and therapeutic procedures. Am J Hematol. 2021;96(12):1679-705.
5.血器腫瘍診療ガイドライン 2023 年度版 (http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_5.html)

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 アッヴィ、日本での未治療CLL(SLL含む)治療薬としてベネトクラクスの承認事項一部変更承認を申請