2024年10月18日
積水ハウス株式会社

積水ハウス株式会社は積水ハウスの様々な事業をお客様ストーリーや社員ストーリーとして紹介する「積水ハウス ストーリー」を公開しました。

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I様邸の外観

 
時代を継承する、シャーメゾンプロジェクト
今回ご紹介するのは、東京都にお住まいのI様のご自宅です。先祖代々受け継ぐ閑静な住宅街に建築された、緑豊かな賃貸併用住宅のシャーメゾンです。I様のご要望は蔵を残し、敷地内の多くの樹木や景石、井戸、お稲荷様、鳥居、数寄屋門を移設することでした。エクステリアを担当したのは東京南シャーメゾン支店の加藤大輔です。

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積水ハウス 東京南シャーメゾン支店 加藤大輔

 
「既存の数寄屋門を移設できる職人さんが見つかるか、まずはそこからでした。I様は先祖代々お住まいのご自宅への愛着もひとしおで、約2,400㎡の敷地のお庭にあったものを残すこと、古きよきものと新たな建物との調和が大きなテーマでした。」と加藤。

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建物に馴染んだ数寄屋門

 
メインアプローチは、移設する数寄屋門や景石で構成、そこに天然素材の石を採用し新旧をなじませたいと考え、床には大判の自然石の諏訪鉄平を乱張りに、花壇には長野県の奥地で採掘される石を加工せずに積み上げる野面積み(のづらすみ)で提案。I様には快諾いただき施工しました。既存のミカンの木をメインツリーに多くの緑を建物に重ね、重厚感ある外観を緑で柔らかに包みました。
アプローチをオープンにした緑豊かで開放的な空間は、前面道路が通学路ということもあり、見通しがよくなったと地域の方々にも大変喜ばれています。

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諏訪鉄平という天然石を使用したファサード

 
植栽は、I様ご自身が植えたものはもちろん、先代が残したものも継承したいというI様の強いご要望で、高木、中低木合わせて約50種以上を植栽。既存のハンカチの木は春になると白い花が美しく咲き、敷地に足を踏み入れると緑量が多く、自然素材もたくさん利用しているので、 まるで森の中にマンションが建っているかのような印象をうけます。

もとの佇まいを活かし、生まれ変わった数奇屋門
「I様は数寄屋門に強い想いがあり、門の柱の石材、屋根、瓦すべてをそのままに残したいとのご要望が計画の条件でもありました。様々な方法を探り、石屋さんから遠方の宮大工さんをご紹介頂き、現場で打合せを重ね、なんとか既存を残しつつ移設が可能と返事をもらった時には本当にほっとしました。」と加藤。

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移設前の数寄屋門(左)と庭の草木の中に数多く点在していた5トン程あった巨大な景石。
アプローチの途中に移設(右上下)全て再利用。

 
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数寄屋門の屋根の移設(上)、数寄屋門の柱、既存の石材を丁寧にばらし、表面をスライスして新たに打設しRCの柱に貼り、当時のたたづまいを継承しました(左下)、職人さんによる柱の移設石組みの施工(右下)

 
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屋根修復作業の様子(上)、新しくなった数寄屋門の再設置。RCで組んだ柱に屋根を据え付け、瓦を戻し雨樋を設置。木造部分は薬剤を使わないエア・カンナ掛けという工法で蘇らせました(下)

 
再利用する数寄屋門の瓦は1枚ずつ外し、石で組んだ柱も再利用するため、表面が割れないよう、丁寧に剥がして保管。屋根の傷んだ箇所を工場で補修し、移設しました。柱の石材はもともと組まれていた表面をスライスしてRCの柱に貼り付け復元。新しい素材は出来るだけ使わないというI様の希望を叶えました。

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幅6m、奥行き3mの屋根。新しく生まれ変わった数寄屋門

 
お稲荷様への参道は、新しい街の風景に
先祖代々伝わる大切なお稲荷様は、ご自宅の塀で使っていた大谷石を土台に再利用。もともと別の場所にあった井戸も災害時に地域に貢献したいと、I様のご要望でお稲荷様の近くに移設しました。道路沿いの木々と格子フェンスの隙間から見えるお稲荷様への参道は新たな街の風景となりました。「昔は農家でしたので、産物の神様としてお稲荷様をお祀りしていました。美しく残していただき本当に嬉しいです。孫の遊び相手になるのが大変です。」と笑顔のI様。

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交差点から目立つお稲荷様とハンカチの木(左上)数寄屋門を開くと、お稲荷様へ続く参道。道ゆく人の目を惹きつけます(上)移設した鳥居とお稲荷様、お孫様とともに(下)

 
玄関までのアプローチは、既存の景石を全て使い、渓流をイメージした枯山水としました。駐車場は緑の茂みで目立たないように配慮。木漏れ日のコントラストが美しく床に映し出され、緑の素晴らしさがより強調されています。諏訪鉄平の床と、渓流に見立てた石材を室内まで施工し、カーテンウォールから外部の景色を取込み、「ソトとナカ」の境界線をなくしました。植栽はアオハダ、ソヨゴ、ナツハゼなどさまざまな在来種に加え、I様が昔から大切にしてきた樹々を移植。なかでも特にI様のお気に入りのハンカチの木は周囲からも目立つ交差点の角に配置しました。
「アプローチの枯山水は全て既存の景石で構成しました。職人さんが雨の中、泥だらけになりながら景石を丁寧に据えて頂き、頭が下がる思いでした。」と加藤。

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アプローチの枯山水。景石を土留に高低差を作っています(上)、風除室(左下)、アプローチで遊ぶ孫様とI様(右下)

 
アプローチ、エントランスを軸として結び、エントランスから抜けたラウンジからも移植した木々や景石、先祖代々残る「蔵』を眺められるように計画しました。陽が沈むとカーテンウォール全体が光を帯び、昼間とは違った表情を見せます。アプローチの外部照明は高さを抑え幻想的な雰囲気に。一方数寄屋門はアッパーライトで照らし、荘厳な雰囲気にしました。アプローチのミカンの木から蔵まで、I様が残したかったもの全てが眺められるようにしました。「私の妻が生前ミカンの皮にお砂糖をまぶしたお手製のお菓子や手作りのマーマレードを良く作ってくれました。家族でたべきれなかったミカンは道行く方にご自由に持って帰ってもらっていました。」と優しそうにI様は話されます。
また、I様邸は以前平屋にお住まいで戦争中疎開をし、この家に戻ってこられたとのことで、戦禍の中でも残った多くのものを共用部の各所に飾らせて頂きました。

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ラウンジから見た既存樹と蔵

 
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先代から受け継がれた品々が、各所に飾られている様子

 
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 2ヶ月に1~2回程度、樹木を育てる畑に足を運ぶ加藤
 

安全・安心で機能的な庭をこれからも
営業時代にエクステリアに強く興味を持ち、自分もこんな庭を作りたいとエクステリアデザイナーの希望を申し入れ12年の経験をもつ加藤。「まずは『安心・安全』、次に『機能的である』、最後に『デザイン』この3つがそろってはじめてよい仕事、よいエクステリア、よいお庭が出来たと感じます。そして、数年先の風景を緑で表現し、お施主様をはじめ地域の方々に喜ばれる新たな景色を届けたい。と思い仕事に取り組んでいます。また、夜の照明計画や周辺への安全を考慮して、おうちに帰る子ども、仕事から帰宅する人たちによい街並み、住みやすい街になったと思ってもらえると嬉しいです。」といいます。

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建物、庭が幻想的な風景になる夜の照明

 
今回、樹木をはじめ既存のものをほぼ再利用するということに、強いプレッシャーを感じていたという加藤。「難しい課題でしたが、古きよきものと新しいものの融合へのチャレンジはある意味で新鮮でした。昔の文化がここにあったことを後世に継承したいというI様の思いを感じながら、外構施工店をはじめ、造園屋、石屋、 宮大工さんの素晴らしい職人の技で答えた、唯一無二のシャーメゾンができました。」

積水ハウスでは、オーナー様の思いを大切に、古きよきものを後世につなぐお手伝いも行っています。トップデザイナーと熟練の職人技が光る庭。幸福感を得られる緑豊かな暮らしを始めてみませんか。

積水ハウスのシャーメゾンhttps://www.shamaison.com/about/

積水ハウスの 「5本の樹」計画
https://www.sekisuihouse.co.jp/gohon_sp/

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 古きよきものを継承する庭 唯一無二の賃貸併用住宅