論文情報 掲載誌:Organometallics 論文タイトル:Direct formic acid production by CO2 hydrogenation with Ir complexes in HFIP under supercritical conditions 著者:Seo Ono, Ryoichi Kanega, Hajime Kawanami DOI:doi.org/10.1021/acs.organomet.4c00229
用語解説 ギ酸(HCO2H) 最も簡単なカルボン酸で、工業的にはメタノールと一酸化炭素を反応させて製造される。染色助剤や可塑剤、凝固剤、メッキ、殺虫剤、その他溶剤などに用いられる。日本では水溶液中のギ酸が90%未満の場合は、毒物及び劇物取締法に規定される劇物に該当しない。また、水溶液中のギ酸が78%未満では、消防法に規定される危険物に該当しない。 ギ酸の分解は、下記化学式に表されるように二つの競合する分解経路を持つ。 HCO2H → H2 + CO2 (1) 脱水素反応(脱炭酸反応) HCO2H → H2O + CO (2) 脱水反応 従来は、脱炭酸反応を選択的に反応させることが困難だったために、ギ酸分解によって生成するガス中に一酸化炭素(CO)が含まれていた。