世界31カ国の平均景況感は前回調査比1ポイント増の66%、上昇傾向を維持

太陽グラントソントン

報道関係者各位

プレスリリース

 

2024年5月30日

太陽グラントソントン

 

2024年第1四半期版
世界31カ国における中堅企業経営者意識調査(International Business Report)

 

・世界31カ国の平均景況感は前回調査比1ポイント増の66%、上昇傾向を維持

・日本の景況感は38%、前回調査比6ポイント増加するもアジア太平洋地域の水準から引き離される

・収益性と販売価格の見通しの上昇により、中堅企業の投資意向が一層高まる


太陽グラントソントンは、グラントソントン加盟国において実施する世界同時調査の一環として、世界31カ国の中堅企業の経営者に対して今後の自国経済の見通しや自社の経営状況などに関して尋ねる中堅企業経営者意識調査(IBR: International Business Report 2024年第1四半期版・2024年1月~2月実施分)を実施し、その結果を公表した。

 

今回の調査結果では、調査対象国平均の景況感は、前回調査(2023年10月~11月実施分)比で1ポイント増の66%と、ゆるやかな上昇傾向を維持した。地域ごとでは、南米が前回調査比6ポイント増の72%と伸びを見せ、アジア太平洋地域(APAC)は4ポイント増の70%に達した。近年70%超の高水準を維持していた北米は、前回調査比4ポイント減の66%であった。日本の景況感は、前回調査比6ポイント増の38%と上昇を示したが、調査対象国平均やアジア太平洋地域平均の水準から大きく引き離される結果となった。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405301535-O2-A9u6Zt9W

 

調査対象国平均での景況感の維持には、引き続き収益性(日本:44%、前回調査比2ポイント増、調査対象国平均:62%、前回調査比2ポイント増)と販売価格(日本:45%、前回調査比1ポイント減、調査対象国平均:53%、前回調査比3ポイント増)、の増加を見込む中堅企業経営者が多かった点が背景にあるとみられる。なお、調査対象地域ごとにみると、収益性においては、近年上昇傾向を維持しているアジア太平洋地域平均がけん引し、そのうちインド(85%、前回調査比2ポイント増)、フィリピン(85%、前回調査比10ポイント増)、タイ(80%、前回調査比1ポイント増)が80%台の高水準を記録した。

 

また、不確実な世界情勢のなか、世界の中堅企業経営者は自社の国際的見通しにも楽観的な希望を抱いており、今後1年間に国外市場からの収益が増加すると予想する割合は調査対象国平均で過去最高水準であった(日本:31%、前回調査比横ばい、調査対象国平均:45%、前回調査比3ポイント増)。輸出の増加を見込む企業の割合(日本:22%、前回調査比6ポイント減、調査対象国平均:46%、前回調査比3ポイント増)、販売先国数の増加を見込む割合(日本:19%、前回調査比3ポイント減、調査対象国平均:42%、前回調査比2ポイント増)も調査対象国平均では上昇傾向を維持した。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405301535-O3-R1996HJF

 

中堅企業の販売価格と収益性の両方が上昇し、景況感を維持することで、インフレ圧力が吸収されることが予想され、世界の中堅企業経営者は引き続き投資に意欲的な姿勢をみせている。調査対象国平均でみると、AIの台頭により、テクノロジーの活用がもたらす経営への潜在的な影響を鑑み中堅企業経営者がテクノロジーへの投資(調査対象国平均:66%、前回調査比5ポイント増、過去最高水準)に注視している一方で、人材への投資を増やすとする割合も過去最高水準であった(調査対象国平均:58%、前回調査比2ポイント増)。これは、中堅企業の持続可能な成長を実現するためには、テクノロジーへの投資と人材への投資の両方の組み合わせが必要であることを示唆しているといえる。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405301535-O4-5PlUqX2k

今後の経営上の制約となりうる事項について尋ねると、調査対象国平均では、経済情勢の不確実性を挙げる割合が最も高かった(日本:48%、前回調査比2ポイント増、調査対象国平均:56%、前回調査比1ポイント減)。日本においては、即戦力確保の難しさを挙げる声が最も多く、その割合は過去最高水準に達した(日本:60%、前回調査比5ポイント増、調査対象国平均:53%、前回調査比3ポイント増)。調査対象国平均では人件費に対する懸念も継続しており、ここでも粘着インフレによる中堅企業への影響が表れていると言えるが、日本においてはその割合は緩和傾向にあった(日本:55%、前回調査比7ポイント減、調査対象国平均:53%、前回調査比2ポイント増)。また、テクノロジーへの投資を重要視する中堅企業が多くある半面、調査対象国平均で約半数がサイバーセキュリティーおよびデジタルリスクを経営上の制約として挙げていることが判明した(日本:37%、調査対象国平均:50%)。

対照的に、資金不足を懸念する声は比較的少なかった(日本:25%、前回調査比1ポイント増、調査対象国平均:40%、前回調査比横ばい)。ハーバード・ビジネス・レビュー*の調査によると、これはバランスシートに余剰資金を保有する企業が増えているためで、不利な出来事に対する保険のような役割を果たしている。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405301535-O1-zf610hiq

今回の調査結果について、太陽グラントソントン グループ パートナー公認会計士 竹村光広は次のように述べている。

 

「今回の調査結果では、改めて日本経済の改善傾向が伺える結果となった。景況感については、昨年上期にコロナ禍からの脱却による経済の正常化期待もあり一時的に大きく景況感が回復したが、その後についても、当時の高い期待感には及ばないものの景況感は着実に改善傾向にあることが伺える。これは、最近の為替円安に伴う企業収益の改善と諸外国からの観光客の増加というインバウンド効果によるものと考えられる。もっとも、国際的な水準比較を行うと、他国に対して低い水準に甘んじていることも事実である。欧米を中心に、インフレの高伸に対応するため急激な政策金利の引き上げが行われたが、日本は、未だ政策金利の引き上げに踏み切れない状況にある。本調査では、人件費や即戦力の確保が経営上の課題に挙げられている。最近では、労働者賃金を引き上げる動きもみられているが、これが個人消費の増加となり、経済の持続可能な回復につなげることができるかが今後の注目ポイントと考える。日本経済にとっても大きな転換点を迎えていると言えるだろう」

参考
*Why Are Companies Sitting on Cash Right Now?

https://hbr.org/2024/02/why-are-companies-sitting-on-cash-right-now

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2024年第1四半期版
世界31カ国における中堅企業経営者意識調査
(IBR: International Business Report)- 概要

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100480/202405301535/_prw_PT1fl_Q1hQ79B2.png

太陽グラントソントン

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URL: https://www.grantthornton.jp/

 

<太陽グラントソントンが提供する事業領域>

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情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 2024年第1四半期版 世界31カ国における中堅企業経営者意識調査