KPMGコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:宮原 正弘、以下、KPMGコンサルティング)とトムソン・ロイター株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ヨンソン・バン(Young Sun Bang)、以下、トムソン・ロイター)は、日本企業における法務・コンプライアンス機能に関する実態調査の結果をまとめたレポート「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2024」を本日発表しました。

生成AI(人工知能)の急速な普及に伴うAIへの規制の強化をはじめ、地政学リスクの高まりを背景にした経済安全保障法制の整備、人権侵害やサプライヤーにおける強制労働などの人権リスクへの対応強化など、世界各国・地域においてさまざまな規制強化の流れが続くなか、企業を取り巻くリスク環境は複雑化の一途を辿っています。

KPMGコンサルティングとトムソン・ロイターは、企業の法務・コンプライアンス部門が、経営に能動的かつ機動的に関与することが求められるなか、日本企業における法務・コンプライアンス機能に係る現状の取組み課題を明らかにし、組織機能と業務の変革を促進することを目的に、国内上場企業、および売上高400億円以上の未上場企業の法務・コンプライアンス部門を対象に、企業の法務・コンプライアンスの取組みに関する調査を共同で実施しました。

本レポートは、「法務・コンプライアンス組織と課題」「リーガルオペレーション・リーガルテック・AI活用」「コンプライアンスリスク」の3つのテーマごとに、海外ネットワークを強みとする両社の知見を踏まえ、グローバル事業において求められる取組み水準を考慮した設問で構成しています。また、2022年に実施した前回の調査から調査事項を継続することで、DX(デジタルトランスフォーメーション)を中心とした組織・業務改革、ならびにサステナビリティに関する法務・コンプライアンス機能の進捗・変化を分析するとともに、今回新たに企業や組織におけるAI利活用に伴うコンプライアンス上の課題などの設問を追加しています。

<注目すべき調査結果>

●依然、深刻な法務・コンプライアンス組織の人員不足
 77.3%(前回より0.4ポイント増)の企業が、法務・コンプライアンス部門の人材が不足していると回答。
 ● リーガルテックの加速、高まる生成AIへの関心
 リーガルテックを導入する企業が、約45%(前回から約10ポイント増)と、回答企業の半数に迫る。約10%の企業が生成AIを「導入済み・導入予定」と回答。
 ● サステナビリティを背景に、法務コンプライアンス部門の経営関与が増加
 法務コンプライアンス部門が、ESGリスク観点から経営戦略立案・実行への関与を行う企業は16%(7ポイント増)と伸びを見せる。

 
【テーマ1】 法務・コンプライアンス組織と課題

依然、深刻な法務・コンプライアンス組織の人員不足
回答企業の77.3%(前回より0.4ポイント増)が、法務・コンプライアンス部門の人材が不足していると回答し、また、業務上の課題について、「法務人材の採用・育成」を挙げた企業の割合が54.7%となり、多くの企業で人材の不足に加えて採用と育成に課題があることが明らかになりました。

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【テーマ2】 リーガルオペレーション・リーガルテック・AI活用

リーガルテックの加速、高まる生成AIへの関心
リーガルテックを導入する企業が、約45%(前回から約10ポイント増)と、回答企業の半数に迫っています。生成AIについても、約10%の企業が「導入済み・導入予定」と回答しており、今後、生成AIの法務・コンプライアンス業務への活用が加速するか注目されます。

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活用広がるリーガルテック、ツール間の連携に課題
リーガルテック導入業務は、契約書審査(9.5ポイント増)、電子署名・電子契約(13.3ポイント増)、弁護士相談への活用(7.3ポイント増)において特に増加が見られるほか、マターマネジメント(案件管理)、ナレッジマネジメントなど、幅広く活用が進んでいることがうかがえます。

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他方、「リーガルテック(ツール)間の連携を図っている」と回答した企業は約24%にとどまっています。
個々のツール導入にとどまらない、オペレーション全体の最適化を見据えたテクノロジーの活用のためにも、マターマネジメントの導入や、リーガルオペレーション改革を推進する組織・担当の設置が、今後の課題であることがうかがえます。

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【テーマ3】 コンプライアンスリスク

サステナビリティを背景に、法務コンプライアンス部門の経営関与が増加
サステナビリティ経営、すなわちESG/SDGsに関する業務において、法務・コンプライアンス部門の役割が拡大しています。マテリアリティ(重要課題)の検討やESGアンケート対応に加え、ESGリスク観点からの経営戦略立案・実行への関与を行う企業も16%(7ポイント増)と伸びを見せており、法務コンプライアンス部門によるサステナビリティ経営への関与が増加の傾向にあることが明らかになりました。

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人権デュー・ディリジェンス 、取組む企業は増加傾向にあるものの道半ば
人権デュー・ディリジェンスを「実施済み、または継続的に実施」と回答した企業の割合が伸びるなど、徐々に人権リスク低減に向けた取組みが浸透している傾向がみられます。一方で、依然として多くの企業においては人権デュー・ディリジェンスなどの人権の基本的な施策が未実施であり、人権デュー・ディリジェンスの取組みに課題があることがうかがえます。

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<サーベイ結果の比率表示>
・各種グラフの表記数値は小数点以下第2位を四捨五入しているため、パーセンテージ合計は100%とならない場合があります。
・無回答を除くため、一部の設問では回答数が異なります。

本レポートの全文はこちらからダウンロードできます:「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2024

 
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情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 KPMGコンサルティングとトムソン・ロイター、 「法務・コンプライアンスリスクサーベイ2024」を発表