AI は、人類にとって強力なツールであり、学習と思考の進化を支えるとともに、社会問題の解決に役立つことは明らかです。しかし、AI の使用には、倫理的な原則と法的な枠組みが必要であり、機械には人間の管理と説明責任が必要です。マイクロソフトは、本レポートにおいて、「責任ある AI 」原則のもと、こうした課題に取り組んできた方法やベストプラクティスを紹介し、日本の状況に合わせた政策提言を行います。また、日本における AI 活用の事例を紹介し、国際的な対話や協力を通じて、当社も AI ガバナンスの推進に貢献していく姿勢を明らかにしています。
本レポートの第一部では、日本が AI に関する政策、法律、規制を検討する5つのポイントについて述べています。また、第二部では、マイクロソフト社内の倫理的な AI への取り組みに焦点を当て、どのように「責任ある AI 」の運用を行い、文化を構築しているかを紹介しています。さらに、第三部では、AI がすでに日本の主要な社会問題の解決に役立っていることを示す事例を紹介しています。
・政府主導の新たな AI 安全フレームワークを実装し、それをベースに構築する ・重要インフラストラクチャを制御する AI システムのために、効果的な安全ブレーキを義務付ける ・AI のテクノロジ アーキテクチャに基づく、幅広い法規制の枠組みを策定する ・透明性を促進し、学術界や非営利団体が AI を利用できるようにする ・新たな官民パートナーシップの推進により、新しいテクノロジに付随する不可避の社会的課題に対処するための効果的なツールとして、AI を使用する
「 責任ある AI 」に対する国際的に相互運用可能かつ俊敏なアプローチの実現に向けた取り組みは、AI のメリットを地球規模で最大化するために欠かせません。マイクロソフトは、AI ガバナンスが目的地ではなく継続的な取り組みであることを認識しながら、これらの活動を何か月も何年もかけて支援していきます。
2019 年からは、特に機密性の高い AI のユースケースのレビュープログラムを導入。これにより 600 件以上の詳細なレビューが行われてきました。当社が推進する「責任ある AI 」では、これを支える人材育成や分野横断的なアプローチが必要とされています。また、グローバルな関係者の意見を取り入れ、AI ガバナンスに関する議論を前進させるための取り組みを行っていきます。