長瀬産業株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:上島 宏之、以下「長瀬産業」)はWorld Business Council for Sustainable Development(持続可能な開発のための世界経済人会議:以下「WBCSD」)が主催するPACT Implementation Program(以下「PACT」(※1)に、プログラムの中心的役割を担うサプライチェーンの中核企業である富士通株式会社(東京都港区、代表取締役社長:時田 隆仁、以下「富士通」)のもと、株式会社ゼロボード(東京都港区、代表取締役社長:渡慶次 道隆、以下「ゼロボード」)と三社共同で参加。富士通が販売するノートパソコンのサプライチェーンを対象に、素材、成形、組み立て製造を含む複数の段階でGHG排出量の一次データを収集・連携し、最終製品のGHG排出量を算出することに成功しました。これは、販売元である富士通の直接の仕入先のみならず、素材・部品サプライヤーなど複数の企業を対象にデータを収集・連携して算出したもので、実際のサプライチェーンを対象としたGHG排出量の算定事例としては先進的な取り組みとなります。
今回のプログラムは、富士通のノートパソコンを対象に、OA機器業界とのネットワークを有する化学系専門商社の長瀬産業が素材メーカーや成形メーカーからデータを収集し、長瀬産業の出資先で且つパートナー企業であるゼロボードのGHG排出量算出・可視化クラウドサービス「Zeroboard」上にデータを連携するものです。これまでも企業が仕入先からGHG排出量の一次データを収集する取り組みはありましたが、仕入先からさらにその先に位置する企業の一次データ収集は商流の複雑さや対応の工数等が課題となり、実現が困難とされていました。 そこで、素材メーカーや成形メーカーとの強固なネットワークを強みとする長瀬産業では、対象となる製品のサプライチェーンにおいて重要なパートを構成する株式会社国盛化学(Tier1)、SABIC スペシャリティー事業部(Tier3)、及びLOTTE CHEMICAL CORPORATION(Tier3)からの協力獲得に寄与しました。 また、成形メーカーである株式会社国盛化学が製造する部品の算定においては、長瀬産業がこれまでの脱炭素経営支援の取り組みで培ったノウハウを活かすことで、樹脂の成形プロセスを効率的に算定するモデルを確立しました。このモデルによって、加工プロセスにおける効率的なGHG排出量算定を可能にしたことが、本プログラムの推進に大きく貢献しました。
尚、本プログラムの成果は、2023年9月19日(米国時間)に米国で開催される「NY Climate week Scope3サミット:From uncertainty to imPACT」で報告されます。 ※1:バリューチェーン全体でのCO2排出量の一次データ交換の透明性を通じて、製品のカーボンフットプリント(以下、CFP)情報を企業間で連携するパートナーシップ(Partnership for Carbon Transparency)
【 本社会実装の概要 】 長瀬産業は、日本企業の先陣として、富士通、ゼロボードとともに「PACT Implementation Program」に参画し、Tire0からTier3までの実製品のサプライチェーンの複数段階での一次データ収集・連携を実現しました。なお、3社は、2021年に発足しJEITAが運営する「Green x Digital コンソーシアム」見える化WGの国内実証実験に参画しています。
概要: 対象製品:富士通ノートパソコン サプライチェーン:富士通ノートパソコンの製造にかかわる素材、成形、組み立て製造、商社(Tier0,1,2,3) データ連携項目:Pathfinder Frameworkに基づくPCFデータ ソリューション:Pathfinder Networkに基づくPACT準拠ソリューション「Fujitsu Track and Trust」、「Zeroboard」
2.本実装での各社の役割: 長瀬産業:OA機器のサプライチェーンにおける化学系専門商社。協力企業の獲得とサプライチェーンからのデータ収集及びその連携を担当。 富士通:Lead Company(Tier0)、PACT準拠ソリューションを持つプロバイダー、ステークホルダーとのリレーション構築および全体推進を担当。 ゼロボード:PACT準拠ソリューション「Zeroboard」を持つプロバイダー。長瀬産業のデータ連携として「Zeroboard」を活用。 ご協力企業:PC筐体の製造を行う株式会社 国盛化学(Tier1)、樹脂材料を提供するSABIC スペシャリティー事業部(Tier3)と、LOTTE CHEMICAL CORPORATION(Tier3)