JAXAの小型月着陸実証機「SLIM」に搭載

2023年9月7日
株式会社タカラトミーhttps://www.takaratomy.co.jp/

 株式会社タカラトミー(代表取締役社長:小島一洋/所在地:東京都葛飾区)が、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)、ソニーグループ株式会社、同志社大学と共同開発した超小型の変形型月面ロボット「LEV-2(レブツー)愛称:SORA-Q(ソラキュー)」は、JAXAの小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」に搭載され、H-IIAロケット47号機(H-IIA・F47)により、種子島宇宙センターから2023年9月7日8時42分11秒(日本標準時)に打上げられました。ロケットは計画通り飛行し、 SLIM は約47分33秒後にロケットから正常に分離された事が確認されました。(参照元: JAXA プレスリリース JAXA | X線分光撮像衛星(XRISM)及び小型月着陸実証機(SLIM)の打上げ結果について ) 今後「 SORA-Q 」は数ヶ月かけて着月を目指すこととなり、月面で走行する日本最初のロボットになる可能性があります。

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 なお8月26日(土)には、葛飾区内の小学生と保護者を招待し、タカラトミー本社において「SORA-Q打上げ応援イベント」を実施しました。ゲストに宇宙系動画クリエイターとして活躍している「宇宙のはるちゃん」をお迎えし、参加者の質問に答えたり、「SORA-Q」の特徴や宇宙について解説する“宇宙教室”のほか、「SORA-Q」の1/1スケールモデル「SORA-Q Flagship Model」(2023年9月2日発売)の操作体験等を実施しました。(当初打上げは8月26日の予定でしたが、天候の悪化が予想されることから延期されました。打上げパブリックビューイングを除くイベントは予定通り実施しました。)

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 「SORA-Q」は月面低重力環境下における超小型ロボットの探査技術の実証を目的とし、JAXAの宇宙探査イノベーションハブとして初めて月面での実証を行うものです。 SLIMの月着陸直前に、もう一台のロボット「LEV-1」とともに放出されます。搭載されたカメラを利用して写真撮影をするとともに、月面走行時のデータを取得します。その後、「LEV-1」を経由して、写真や走行データを地球へと送信します。

 タカラトミーは来年2024年2月2日に創業100年を迎えます。創業以来、守り続けてきたおもちゃ作りの原点である、安心・安全な品質と細部にまでこだわる職人魂、柔軟な発想力、そしてなによりも子どもたちを笑顔にしたいという強い想いが今回の宇宙探査に活かされることで、子どもたちがこれまで以上に自然科学領域に興味を持ち、宇宙の面白さを 知ってもらうきっかけとなってくれることを心から願っています。
「 SORA-Q」について www.takaratomy.co.jp/products/sora-q/

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変形型月面ロボット「SORA-Q」 (左)変形前 (右)変形後
クレジット:JAXA/タカラトミー/ソニーグループ(株)/同志社大学

「 SORA-Q 」は、超小型の変形型月面ロボットの愛称です(直径約80 mm 、質量約250 g )。 JAXA の「宇宙探査イノベーションハブ」共同研究提案公募の枠組みの下、2016年から JAXA およびタカラトミーが筐体の共同研究を開始し、その後、2019年にソニーが、2021年に同志社大学が加わり、4者で共同開発しました。月面に着陸する小型月着陸実証機「 SLIM 」に搭載され、月に向けて2023年9月7日(木)に打上げられました。数ヶ月かけて月面への到着を目指します。月面に着陸後、瞬時に球体が左右に拡張変形し、月面を走行します。そして搭載された前後2つのカメラで撮影した画像を LEV-1 (ともに SLIM に搭載され、探査する小型プローブ)を経由して地球に送信する計画です。

リソース 
質量:本体約250g、サイズ:直径約80mm(変形前)
通信:LEV-1とLEV-2(SORA-Q)間の通信機能
カメラ:前後2つのカメラでSLIM着陸機及び周辺環境を撮像可能

タカラトミーの小型駆動、変形機構を活用した商品例
リアルムービングキット(組立式駆動玩具)「ZOIDS」シリーズ(1983年~)や、二足歩行ヒューマノイド型ロボット「Omnibot 17μ i-SOBOT」(2007年)、変形ロボット「トランスフォーマー」(1984年~)など

開発にはタカラトミーの玩具作りにおいて培われた小型化、軽量化の知見と、変形機構に関わる技術が活用されました。おもちゃの開発において重要な要素に「柔軟な発想」「多くの人の手に届きやすい低価格の実現」などが挙げられます。それらは「小型化」「軽量化」「シンプルな設計」につながり、宇宙事業において求められる要素と合致しました。

 【SORA-Qのミッション】
「SORA-Q」の使命は、月面の低重力環境下における超小型ロボットの探査技術を実証することです。5つのポイントでミッションに挑みます。①月面に到達すること ②SLIM着陸機から分離して月面に着陸すること ③月面のレゴリス上を走行し、動作ログを取得、保存すること ④着陸機周辺を撮影し、画像を保存すること ⑤撮影した画像データ、走行 ログ、ステータスをSLIM着陸機とは独立した通信系で地上に送信すること。
月面は、地球と比べて重力が6分の1であり、またレゴリス(月の表面を覆う砂)に覆われた路面等、地上とは異なる特殊な環境です。将来の月面活動や小型ロボットによる惑星探査に向けたデータの取得を目指します。また、SLIMの着陸状態や周辺の環境を撮影・送信することでミッションデータの補強を試みます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202309079124-O11-oE11s8t3】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202309079124-O12-d4zm5ZpZ

「LEV-2(SORA-Q)」の通信方法について
クレジット:JAXA/タカラトミー/ソニーグループ(株)/同志社大学  

 
【JAXAの小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」について】
“重力天体への高精度着陸技術を小型探査機で実証する”「SLIM」

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202309079124-O18-LaLYKEN5
©JAXA

小 型月着陸実証機SLIM (Smart Lander for Investigating Moon) は、将来の月惑星探査に必要な重力天体への高精度着陸技術を、小型探査機で実証する計画です。この技術の実証、獲得により、我々人類が進める重力天体探査は、従来の「降りやすいところに降りる」探査ではなく、「降りたいところに降りる」探査へと非常に大きな転換を果たすことになります。またSLIMには、月の形成と進化の謎を解く鍵を手に入れるため、クレータ近傍のマントル由来物質をマルチバンド分光カメラによって詳しく組成調査します。加えて、2機の小型プローブLEV-1、LEV-2(SORA-Q)】を搭載し、惑星表面移動探査の新たな可能性を追求します。

 
【SLIMプロジェクトにおけるSORA-Qの挙動】
「SORA-Q」は小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」 (Smart Lander for Investigating Moon)に搭載されて月へ打上げられます。(「SLIM」は2機の小型プローブ【LEV-1、LEV-2(SORA-Q)】を搭載し月へ到着後にSLIM着陸機がメインエンジンを停止した後にLEV-1を分離。同時にLEV-2も分離されます。)
月面へ放出されて球体のまま着地した「SORA-Q」は、球体が左右に展開すると同時に、頭部が立ち上がり、また、尻尾のようなスタビライザーを伸ばした状態へと変形(拡張変形)します。その後、外殻を車輪として回転させて月面を移動します。自在に動く両輪は回転軸が偏心していることで、「バタフライ走行」と「クロール走行」の2種の走行モードで走行することができます。あらゆる方向に転倒しても正位値に復帰し、平地だけでなく傾斜地も走行可能です。頭部の前後にはカメラを搭載しており、前方のカメラ(FRONT CAMERA)で周囲の状況を、後方のカメラ(REAR CAMERA)では自らが月面を走行してできた跡、轍(わだち)などを撮影します。撮影した データはLEV-1に送信し、LEV-1を経由して地球へ送られます。なお、送信するデータは「SORA-Q」自身が画像を判断して選別します。「SORA-Q」が月面へ到着してから画像を送信するまでのミッション実行時間は約1~2時間程度を予定しています。(※一次電池を消費すると動作が停止し、そのまま月に残ります)
LEV…Lunar Excursion Vehicleの略。月面を跳躍しながら自由自在に探査するLEV-1と、分離後に撮影し二輪走行可能なLEV-2(SORA-Q)で構成。

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クロール走行

 
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バタフライ走行
<報道各位から本件に関するお問い合わせ先> 株式会社タカラトミー 広報課 TEL:03-5654-1280 FAX:03-5654-1380
<お客様から本件に関するお問い合わせ先> 株式会社タカラトミー お客様相談室 TEL:0570-041031(ナビダイヤル)

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 変形型月面ロボットLEV-2(愛称「SORA(ソラキュー)」)が2023年9月7日(木)月面へ向けて出発!