近年著しく経済成長、がん患者急増、都市化が進むタイで 高まる都市型陽子線治療のニーズに応える

2023年2月7日
株式会社ビードットメディカル

 医療機器スタートアップの株式会社ビードットメディカル(本社:東京都江戸川区 代表取締役社長:古川卓司 以下、ビードットメディカル)と、タイ王国(以下、タイ)の国立大学であるタマサート大学は、ビードットメディカルが開発する超小型陽子線がん治療装置の導入に向けた基本合意書を締結しました。体への負担が少ない陽子線治療の世界的な普及を目指すビードットメディカルは、ASEAN主要国の中でも最も早いペースで高齢化が進んでいるタイに高度がん治療を導入し、これを起点にグローバル展開を進めていきます。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202302062700-O4-i5vKG1dG】 タマサート大学学長 Gasinee Witoonchart教授(右から2番目)とビードットメディカル代表 古川卓司(右端)


 今回の基本合意は、日本の医療機器卸し大手のオルバヘルスケアホールディングス株式会社(本社:岡山県岡山市 代表取締役社長:前島洋平 以下、オルバヘルスケア)との販売提携により実現しました。オルバヘルスケアは2023年1月にタイ法人(タイオルバヘルスケア)を設立し、タイを中心としたASEAN地域におけるヘルスケア産業の拡大を見越した医療機器事業を展開予定であり、ビードットメディカルにとって同地域に進出するための強力なパートナーです。

 

 近年東南アジアでは、人口やGDPの拡大に加えて国民所得も上昇しており、先進的な医療を取り入れる機運が高まっています。特に、タイは2000年以降社会保障制度の改革によって国民の医療環境が変化すると同時に、経済成長によるがん罹患者数が急増しているため、最先端がん治療へのニーズが高まっています。

 

 しかし、タイは総人口の約1/5が首都・バンコク周辺に集中し、首都圏の人口密度が非常に高いことから、従来の大型な陽子線治療装置を設置するスペースの確保は困難で、2023年現在国内に陽子線治療施設は1箇所しかありません。ビードットメディカルの超小型陽子線がん治療装置は都市部にも設置できる世界最小クラスであり、この状況を打破する装置として期待され、今回の導入に至りました。

 

 導入先であるタイのタマサート大学は2024年に創立90周年を迎え、この節目に大学内に新たな病棟の開設が計画されており、ビードットメディカルとオルバヘルスケアによる陽子線治療の導入は目玉となる大規模プロジェクトです。今後タイでの装置販売で必要となる治験もタマサート大学で実施予定であり、三位一体でプロジェクトを成功させ、そしてこれを起点に世界的に展開を目指して取り組んで参ります。

 

 

〈タマサート大学 学長 Gasinee Witoonchart教授のコメント〉

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202302062700-O5-tCIiH48S

タマサート大学は、人々と未来のためにあらゆる分野で社会的イノベーションを生み出してきました。近年の経済発展に伴ってがん患者数が増え続けている中、この画期的な陽子線治療装置を導入することを誇りに思うとともに、最先端の治療を人々に提供できることを楽しみしています。

 

〈オルバヘルスケア 代表取締役社長 前島 洋平 様のコメント〉

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202302062700-O10-J6lJX97x

オルバヘルスケアは、今後高齢化が進展するASEANにおいて、タイを医療分野のハブと位置づけ、ASEAN諸国での更なる事業展開を目指しています。国民の健康長寿に寄与すべく、私たちは陽子線治療という高度がん治療の導入を通じて、医療分野におけるタイと日本の橋渡しをしていきたいと思います。

 

〈ビードットメディカル 代表取締役社長 古川 卓司のコメント〉

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202302062700-O7-JlwLdfAT

今回の基本合意締結は、私たちにとってグローバル展開に向けた第一歩であり、世界でビードットメディカルの取り組みが認められたという大きな意味を持っています。タイを含めたASEAN諸国への世界クラスの高度がん治療提供を目指し、タマサート大学と共にこの革新的なプロジェクトを進められることを心待ちにしています。

 

 

■陽子線治療とは

 陽子線治療は体内深部にある腫瘍をピンポイントで正確に照射するため、腫瘍周囲の正常な組織や臓器へのダメージが少なく、副作用を低く抑えることができます。そのため日常生活を大きく変えることなく、働きながらのがん治療が可能になるなど、患者さまのQOL向上が見込まれます。

 

■陽子線治療の現状とビードットメディカルの取り組み

 陽子線治療は、現在ごく一部の患者さましか受けられておらず、X線治療のように広く普及しているとは言えません。普及を妨げる原因は巨大で高額な装置にあり、病院への導入には高額な初期コストと十分な設置スペースが必要であることから、世界で111施設しかなく、X線治療に比べ圧倒的に施設数が少ないのが現状です(2020年時点)。

 ビードットメディカルは、陽子線治療の普及を目指して従来に比べ圧倒的にコンパクトな「超小型陽子線がん治療装置」を開発しています。独自の技術で装置をX線治療装置と同程度のサイズにまで小型化し、これまで陽子線治療の導入が困難であった都市部や、コストを理由に検討を断念していた病院への導入を促進することで、施設数の大幅増加に貢献していきます。

 

〈タマサート大学について〉

 タマサート大学は、タイで2番目に長い歴史をもつ国立大学です。設立当初は法学系の大学として知られていましたが、幅広い学問領域で最先端の研究を行う国際的な名門研究大学へと発展してきました。元首相、有力政治家、各分野の専門家など多くの著名人を輩出しており、“Leadership through World-Class Education and Research”とVisionに掲げ、健康や医療、産業における生活水準の向上を目指しています。

 

〈オルバヘルスケアについて〉

 オルバヘルスケアホールディングス株式会社は、2021年に創業100周年を迎えた大手医療器材商社です。「ビジネスを通じて、医学・医療・介護の発展に貢献し、国民の健康長寿に寄与する」というパーパスのもと、地域医療に寄り添い、日進月歩の進化を遂げる医療技術に追随しながら、新たな時代を切り拓くリーディングカンパニーとして挑戦を続けています。

 

〈ビードットメディカルについて〉

 株式会社ビードットメディカルは、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所(以下放医研)発のスタートアップ企業で、放医研で培った高度な技術と経験を活かし、「超小型陽子線がん治療装置」を開発しています。東京都江戸川区に本社を持ち、日本の技術革新力で世界に挑戦しています。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202302062700-O8-O7Q2hdiN】 超小型陽子線がん治療装置のイメージ図(※薬機未承認品)

 

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105528/202302062700/_prw_PT1fl_40yGgCO8.png

 

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 ビードットメディカル、タイ・タマサート大学に超小型陽子線がん治療装置の導入を決定