AiP、EMAB、Hi-Chip Allianceなどの技術出展

2022年12月14日
工業技術研究院

台湾工業技術研究院SEMICON Japan 2022へ出展 世界初のパッケージ技術EMAB大公開

 工業技術研究院(以下ITRI)は12月14日より東京ビッグサイト(東展示棟)にて開催されるSEMICON Japan 2022に出展いたします。モバイル機器の機能向上に伴い、ハイエンドチップの需要が大幅に増加しています。今後、チップの薄型化、軽量化、小型化、放熱性、コスト削減を実現するために、鍵となるのがヘテロジニアス・インテグレーションです。ITRIは台湾経済部技術処の支援のもと、高度なチップ統合能力を備えた異種統合パッケージング技術の研究開発に注力しており、SEMICON Japan 2022では「アンテナ・イン・パッケージ(Antenna-in-Package;AiP)」、「内蔵基板(Embedded Multi-Die Active Bridge;EMAB)」等の技術を出展する機会を得ました。また、「ヘテロジニアスインテグレーションとチップレット技術産業連盟(Hi-Chip Alliance)」を通じ、国内外の半導体のパッケージ設計から、テスト検証、小規模生産サービスまで、完全な半導体産業チェーンを構築し、世界をリードする半導体パッケージングの高度な技術を用い、半導体業界を更なる高みへと導きます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202212141164-O1-P5mBQaHx】 先端実装技術で、半導体産業のピークの創出を目指す。 「EMAB内蔵基盤」(左)、「AiP実装と低軌道衛星地上端末の電子走査アレイアンテナ(ESA)」(右) ITRI電子光電子システム研究所副所長駱韋仲氏(左)、稜研科技(TMY Technology, Inc.)創設者兼CEO張書維氏 (右) 

 台湾経済部技術処によると、AI 人工知能、AIoT、及び 5G が普及するに伴い、新たな応用技術も多数開発されてきました。IDCの統計によると、世界の5Gネットワークインフラストラクチャ市場規模は、2023年には368億米ドル、年間成長率は23.5%にまで達すると予測されており、高い成長が見込めます。AI人工知能が、スマートシティ、インターネットへの常時接続機能を有した自動車であるコネクテッドカー、IIoTといった応用開発が進められているとともに、B5G衛星通信、低軌道衛星地上受信局、ミリ波通信といった分野での装置競争も国際的に開始されています。アンテナ・イン・パッケージ(Antenna-in-Package;AiP)技術の鍵となる異種統合も、通信技術においては大きな革新となっています。ITRIは国際協力と革新的な技術開発を通じて、台湾の半導体産業の国際的な競争力を強化するため、台湾経済部技術処に研究助成をいただきました。その助成でオランダのAltum RF社、および台湾の稜研科技(TMY Technology, Inc.)と高出力性能、高出力密度の衛星通信システムを共同開発し、ミラノ展示会で高い反響を得ました。ITRIの内蔵基盤(EMAB)の確信的な技術はSEMICON Japanでは日本市場でのビジネスチャンスの先取りだけでなく、国際的には発言権および競争力を獲得し、関連産業の競争力の底上げを促します。

 ITRI電子光電子システム研究所駱韋仲副所長は、「ITRIのSEMICON JAPANへの出展は今年が初めてではあるが、日台は以前より半導体産業において緊密に協力してきた関係があります。日本の業界関係者との信頼関係を深め、双方の技術を合わせて協力していくことで、市場競争力を強化させていきたい」と述べました。電子情報技術産業協会(JEITA)の調査によると、日本の 5G 市場規模は 2020 年から年平均 71.3% で成長し、2030 年には 123 億 8,100 万ドルに達すると予測されており、将来的に各携帯電話で使用されるチップの数は倍増すると見込まれています。ITRIはファンアウト型ウエハーレベル・パッケージング(FO-WLP)と高密度・高精度チップ集積技術を確立し、ミリ波技術と高周波部品のキーテクノロジーを持つAltum RF社(本社:オランダ)と、アレイ アンテナ技術とミリ波通信技術のソフトウェアとハ​​ードウェアの統合を専門とする台湾の稜研科技(TMY Technology, Inc.) と、アンテナ・イン・パッケージ(AiP)技術を共同開発しました。GaN(窒化ガリウム)パワーアンプ、シリコンベースのビームフォーマ、及びアンテナを単一のミリ波アンテナアレイモジュールに統合し、モジュールの小型化に成功しています。これによって、アンテナモジュール全体の電力変換効率が大幅に改善され、全体の電力変換効率を大幅に改善し、これまでの高消費電力、伝送信号損失、放熱といった課題が解決されました。将来的には、低軌道衛星通信サプライチェーンのキーモジュールとして確固たる地位を築き、2023年には55億ドルのビジネスチャンスをつかむことが期待されています。

 また、「内蔵基板(EMAB)技術」にはITRIのICヘテロジニアス統合基板構造を導入し、チップを橋(ブリッジ)のようにすることができる上、プログラム可能で、かつ「シリコンブリッジ」(Silicon Bridge)に置き換えることで、信号の方向を任意に調整し、チップセットと通信するのが可能となりました。チップ統合の多様なニーズを満たすだけでなく、柔軟にカスタマイズされたソリューションの迅速な提供、プロセスの効率化、生産コストの削減など、国際の半導体パッケージング分野に新しいアプローチを生み出します。三つ目の項目の「ヘテロジニアスインテグレーションとチップレット技術産業連盟(Hi-Chip Alliance)」は国内外の半導体企業を上流から下流まで統合して完全な産業チェーンを構築することで、高度なチップ統合能力を備えた異種統合パッケージング技術の開発を促進、少数の多様な試作ソリューションを提供し、AIoTと5Gの製品革新と技術における国際競争力を維持します。

 稜研科技(TMY Technology, Inc.)の創設者兼CEOである張書維氏は、次のように述べています。「弊社はITRIと共にSEMICON Japanに出展することになり、嬉しく存じます。GaN(窒化ガリウム)パワーアンプとウエハーレベル・パッケージング技術を統合することで、アレイのSWaP (サイズ・重量・電力)の最適化に成功し、衛星通信用の新世代の電子スキャンアレイアンテナソリューションを開発しました。このプログラムは、台湾の製造サプライ チェーンと連携するのはもちろん、国際的な産業チェーンとも構築していき、衛星産業における地上基地局の急速な普及の一手としていきたいです。」

 ITRIは、次世代産業の発展のために2030年のインテリジェント化技術を提案し、ITRIそのものも、モノのインターネット、ビッグデータ、AI人工知能技術を活用しながら、試作ラインの運用や、量産プロセス技術の開発、創造性あふれる製品の製造など、応用技術を革新的かつ多様に発展させていきます。同業界の他社とも信頼関係を深め、産業のアップグレードを共に促進させるだけでなく、分野を超えた協働を通じて産業や応用技術を生み出し、次世代の新しいビジネスチャンスをつかんでいきます。

 
【出展情報】
『SEMICON JAPAN 2022』
■日時:2022 年12月14 日(水)~16 日(金)10:00~17:00
■場所:東京ビッグサイト 東展示棟:3738
■HP:https://www.semiconjapan.org/jp

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 台湾工業技術研究院SEMICON Japan 2022へ出展 世界初のパッケージ技術EMAB大公開