Society 5.0やWeb3.0などの社会の到来によって、物理空間と仮想空間の相互連携が進むことで、これまで以上に膨大な数のIoTデバイスやセンサーなどが存在する世界になることが予測されています。近年、5G(第5世代移動通信システム)の整備によって、膨大な通信トラフィックを処理できるネットワークインフラが構築されていますが、IoTデバイスやセンサーのバッテリー交換や給電方法が課題になっています。バッテリー交換のコスト削減や給電方法の簡略化を実現するには、給電のワイヤレス化が重要なテーマですが、無線局の大部分が6GHz以下の周波数帯に集中しており、他の通信システムとの干渉を抑えるために、ワイヤレス電力伝送の出力電力や送電装置の設置場所などは大きく制限を受ける可能性があります。
■研究成果のポイント ・ミリ波の通信と同一の周波数帯域でワイヤレス電力伝送(Wireless Power Transfer、以下「WPT」)を実現。通信とWPTを時分割多重し、アンテナビームフォーミングを活用して、通信とWPTの時空間分離システムの実証に成功 ・金沢工業大学が開発した世界最高レベルの高効率受電レクテナへの送電実験に成功