1.背景 臨床試験及び医療業界では、現在においても重要な情報及びプロセスが紙媒体に記録されていることが多く、更新内容の把握・最新版の共有方法が煩雑になり、工数を要している事例が存在する。一方、既存のシステムを導入している場合にも、情報の信頼性、共有・流通の利便性等の観点で課題が顕在化している。加えて、近年、ウェアラブルデバイスやオンラインコミュニケーションツールの普及に伴い、患者を中心としたケアを目指す方向性にシフトしている。また、臨床試験業界では分散型臨床試験(Decentralized Clinical Trial:DCT)の確立、医療業界ではPHR(Personal Health Record)及びEHR(Electronic Health Record)データの利活用が実現すべき大きな方向性として掲げられている。これらの実現には、関係者間の信用を確保した上で情報の信頼性を担保する情報流通システムが必要不可欠である。