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アッヴィ合同会社
ウパダシチニブについて、欧州委員会が活動性のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の成人患者さんの経口治療薬として承認
ー 本承認により、ウパダシチニブ(15 mg、1 日 1 回投与)は、体軸性脊椎関節炎[X 線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)および強直性脊椎炎(AS)]の患者さんの治療薬として欧州連合(EU)で承認された最初かつ唯一のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬1
ー 本承認は第Ⅲ相SELECT-AXIS 2ピボタル試験から得られたデータに基づくものであり、本試験ではウパダシチニブによりnr-axSpA患者さんの約半数が14週時にASAS40を達成(ウパダシチニブ群45%対プラセボ群23%、p<0.0001)し、プラセボ群と比較して有意な疾患コントロールを示した2
イリノイ州ノースシカゴ、2022年7月29日—アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、欧州委員会(EC)が、C-反応性蛋白(CRP)の高値または磁気共鳴画像(MRI)により客観的な炎症の徴候が認められ、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で効果不十分であった活動性のX 線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の成人患者さんの経口治療薬として、ウパダシチニブ(15 mg、1日1回投与)を承認したことを発表しました*1。
アッヴィの senior vice president of research and development兼chief scientific officer であるThomas Hudson, M.D.は次のように述べています。「体軸性脊椎関節炎(axSpA)は背部痛やこわばり、そして脊椎への不可逆的な損傷を引き起こし得る疾患で、長年にわたり医療従事者や患者さんの治療選択肢は限られてきました。アッヴィは、客観的な炎症の徴候が認められNSAIDsで効果不十分であったnr-axSpAの成人患者さんに向けて、今回EUにて承認されたウパダシチニブをファースト・イン・クラスの治療選択肢としてご提供できることを誇らしく思います。ウパダシチニブは、nr-axSpAおよびASを含むaxSpA患者さんの治療薬として承認された最初かつ唯一のJAK阻害薬となります。」
axSpAは、関節の炎症や背部痛およびこわばり等の運動制限を引き起こす慢性進行性の炎症性リウマチ疾患です3,4,5。axSpAは、X 線基準を満たす体軸性脊椎関節炎(r-axSpA)とも呼ばれる強直性脊椎炎(AS)またはX 線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)と臨床的に定義されている2つのサブセットで構成されます6。また、約10~40%の患者さんが、2~10年の間にnr-axSpAからr-axSpAへ進行します7。
SELECT-AXIS 2試験の治験責任医師で、ゲント大学病院リウマチ学科(the Department
of Rheumatology at the University Hospital of Ghent University)教授でもあるFilip Van den Bosch, M.D. **は、次のように述べています。「欧州委員会によるnr-axSpA治療におけるウパダシチニブの承認により、nr-axSpAおよびAS患者群で有効性が示された重要かつ新たな治療選択肢がEUの医師に提供されました。nr-axSpAとともに生きることは、多くの困難を伴い、患者さんの生活の質に重大な影響を及ぼし得ると思われます。活動性nr-axSpAの患者さんにとって、早期の有効な疾患管理は、健康アウトカムを改善するための鍵となります。」
アッヴィは、nr-axSpAを対象とした第III相SELECT-AXIS 2試験のトップライン結果を既に発表しており、そのすべての結果をThe Lancetで公表しています。試験結果は、14週時に国際脊椎関節炎評価会基準でベースラインから40%の改善(ASAS40)を達成した患者さんの割合は、プラセボ群と比較して、ウパダシチニブ15 mg群において有意に高いことを示しています(ウパダシチニブ群45%、プラセボ群23%、p<0.0001)2。また、14週時に、多重性を調整した副次評価項目14項目のうち12項目においてプラセボ群と比較して、統計学的有意性も達成されました2。安全性データについては、既知のウパダシチニブの安全性プロファイルと比較して、新たな安全性リスクは特定されなかったことが既に報告されています2。14週目までに有害事象(AE)が発現した患者さんの割合は、両投与群で類似した結果となりました(ウパダシチニブ群48%、プラセボ群46%)2。
nr-axSpAに対するECの製造販売承認は、ウパダシチニブがEUの全加盟国ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、北アイルランドおよびノルウェーにて承認されたことを意味します。
昨今、ウパダシチニブは、既に承認されているASの効能・効果に関してもEUで添付文書の記載事項が更新され、生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(bDMARD)で効果不十分であった活動性AS患者さんに関するデータが追加されました。本更新は、bDMARDで効果不十分であった活動性AS患者さんを対象とした第III相SELECT-AXIS 2試験の結果、およびbDMARDによる治療歴がないAS患者さんを評価した第II/III相SELECT-AXIS 1試験の2年分の結果に基づいています8,9。
アッヴィは、第III相SELECT-AXIS 2 AS(bDMARD-IR)試験のトップライン結果を既に発表しており、本試験では、14週時にASAS40を達成した患者さんの割合は、プラセボ群と比較して、ウパダシチニブ15 mg投与群において有意に高いことが示されました(ウパダシチニブ群45%、プラセボ群18%)8。疾患活動性、疼痛(全体および夜間の背部痛)、運動機能、MRI SPARCCスコア(脊椎)、脊柱の可動性、腱付着部炎および健康関連の生活の質など、ベースラインからの改善を評価する順位付け副次評価項目の全14項目が改善を達成しました8。安全性データについては、ウパダシチニブの既知の安全性プロファイルと比較して、新たな安全性リスクは特定されなかったことが既に報告されています8。14週目までにAEが発現した患者さんの割合は、両投与群で類似した結果となりました(ウパダシチニブ群41%、プラセボ群37%)8。
SELECT-AXIS 1試験及びSELECT-AXIS 2試験のプログラムについて2,8,9
SELECT-AXIS 1試験は、bDMARDによる治療歴がなく、2種類以上のNSAIDsで効果不十分またはNSAIDs に不耐容/禁忌であった活動性ASの成人患者さんを対象として、ウパダシチニブの安全性および有効性を評価する第II/III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験です。第2期は、非盲検継続投与期であり、第1期を完了した患者さんを対象としてウパダシチニブの長期的安全性および有効性を評価します。本試験に関する詳細は、欧州についてはwww.clinicaltrialsregister.eu/(2017-000431-14)、米国についてはwww.clinicaltrials.gov(NCT03178487)に掲載されています。
SELECT-AXIS 2 試験(NCT04169373)は、マスタープロトコールに基づいて実施され、独立した 2 つの試験[SELECT-AXIS 2 AS(bDMARD-IR)試験(試験 1)および SELECT-AXIS 2 nr-axSpA 試験(試験 2)]で構成されます。
試験 1:SELECT-AXIS 2 AS(bDMARD-IR)試験8
第III相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験で、改訂ニューヨーク基準を満たし、ASの活動性指標(BASDAI)スコアが 4 以上かつ全般背部痛スコア(0~10 の数値化スケール)が 4 以上で、bDMARD療法で効果不十分であったASと臨床的に診断された患者さん 420 名を対象に、ウパダシチニブ群の有効性および安全性をプラセボ群と比較して評価しました。
試験 2:SELECT-AXIS 2 nr-axSpA 試験2
第III相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験で、nr-axSpA と臨床的に診断された患者さん 314名を対象に、ウパダシチニブ群の有効性および安全性をプラセボ群と比較して評価しました。MRI による仙腸関節の炎症所見またはスクリーニング時に正常値の上限(2.87 mg/L)を超える高感度 C-反応性蛋白(hs-CRP)値を呈することにより活動性の炎症の徴候が認められ、BASDAI スコアが 4 以上で全般背部痛スコア(0~10 の数値化スケール)が 4 以上の患者さんを本試験へ組み入れました。
SELECT-AXIS 2 プログラムに関する詳細は、欧州についてはhttps://www.clinicaltrialsregister.eu/(2019-003229-12)、米国についてはwww.clinicaltrials.gov(NCT04169373)に掲載されています。
体軸性脊椎関節炎(axSpA)について
体軸性脊椎関節炎は、脊椎に影響を及ぼし、背部痛、運動制限および構造的損傷を引き起こす慢性の炎症性疾患です6。X 線基準を満たす体軸性脊椎関節炎(AS)または X 線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)と臨床的に定義された 2 つのサブセットで構成されます。ASの患者さんでは、X 線画像で明らかな仙腸関節の構造的損傷が認められます6。nr-axSpAは、単純 X 線撮影で仙腸関節の構造的損傷を示す明確な画像所見がないことによって、臨床的に定義されます6。
ウパダシチニブについて1
アッヴィの科学者が発見し、開発したウパダシチニブは、複数の免疫介在性炎症性疾患を対象に研究が進められている選択的な JAK 阻害剤です。ヒトの細胞アッセイにおいて、ウパダシチニブは JAK2 ペアを介してシグナルを伝達するサイトカイン受容体に対する機能的選択性により、JAK1 または JAK1/3を介するシグナル伝達を選択的に阻害します。
アトピー性皮膚炎、axSpA、クローン病、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III 相試験が進行中です10,11,12,13,14,15。
リウマチ領域におけるアッヴィについて
アッヴィは20年以上にわたり、リウマチ性疾患とともに生きる患者さんの治療の向上に取り組んできました。革新的な治療を発見し、提供するという当社の長年の取り組みに基づき、より多くのリウマチ性疾患の患者さんを治療目標達成に導く、有望な新たな経路や標的への理解を深める最先端科学を追求していきます。詳細についてはhttps://www.abbvie.com/our-science/therapeutic-focus-areas/immunology/immunology-focus-areas/rheumatology.htmlをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
References:
1.AbbVie, Ltd. RINVOQ (upadacitinib) [summary of product characteristics].
https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/rinvoq-epar-product-information_en.pdf.
Accessed July 28, 2022.
2.Deodhar, A, et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib in Patients with Active Non-Radiographic Axial Spondyloarthritis: a Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Phase 3 Trial. EULAR 2022 Congress;2534.
3.Crossfield SSR, Marzo-Ortega H, Kingsbury SR, et al. Changes in ankylosing spondylitis incidence, prevalence and time to diagnosis over two decades. RMD Open 2021;7:e001888. doi: 10.1136/rmdopen-2021-001888.
4.Mayo Clinic. Ankylosing Spondylitis. 2019. Available at: https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/ankylosing-spondylitis/symptoms-causes/syc-20354808 . Accessed June 2022.
5.Dean, LE, et al. Global prevalence of ankylosing spondylitis. Rheumatology (Oxford). 2014 Apr;53(4):650-7. doi: 10.1093/rheumatology/ket387. Epub 2013
6.Deodhar AA, Understanding Axial Spondyloarthritis: A Primer for Managed Care. Am J Manag Care. 2019;25:S319-S330.
7.Protopopov M, Poddubnyy D. Radiographic progression in non-radiographic axial spondyloarthritis. Expert Rev Clin Immunol. 2018;14(6):525-533.
8.Van der Heijde, D, et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib in Patients With Active Ankylosing Spondylitis Refractory to Biologic Therapy: a Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Phase 3 Trial. EULAR 2022 Congress;2518.
9.Van der Heijde D, et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib in Patients with Active Ankylosing Spondylitis: 2-Year Results from a Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study with Open-Label Extension [abstract]. Arthritis Rheumatol. 2021;73 (suppl 10).
10.Evaluation of Upadacitinib in Adolescent and Adult Patients With Moderate to Severe Atopic Dermatitis (Eczema) (Measure Up 1). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03569293. Accessed June 2022.
11.A Study to Evaluate Efficacy and Safety of Upadacitinib in Adult Participants With Axial Spondyloarthritis (SELECT-AXIS 2). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04169373. Accessed June 2022.
12.A Study of the Efficacy and Safety of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Biologic Therapy. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03345836. Accessed June 2022.
13.A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib (ABT-494) for Induction and Maintenance Therapy in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (UC). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02819635. Accessed June 2022.
14.A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib in Participants With Giant Cell Arteritis (SELECT-GCA). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03725202. Accessed June 2022.
15.A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Upadacitinib in Subjects With Takayasu Arteritis (TAK) (SELECT-TAK). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04161898. Accessed June 2022.