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アッヴィ合同会社
アッヴィ、JAK阻害剤による治療歴のない骨髄線維症患者さんにおける治験薬Navitoclaxの予備的データを発表
ー データは、骨髄線維症における脾臓容積縮小(SVR)、症状スコア、骨髄線維化(BMF)および貧血の臨床アウトカムを改善させるための早期治療介入を支持
ー ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤による治療歴のない骨髄線維症患者さんを対象とした第2相REFINE試験のコホート3における、navitoclaxとルキソリチニブの併用投与に関する探索的解析の結果
イリノイ州ノースシカゴ、2022年6月10日(米国時間) – アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、難治性の希少な血液がんである骨髄線維症(MF)を有し、JAK阻害剤による治療歴のない患者さんを対象とした、治験薬navitoclaxとルキソリチニブの併用投与に関する第2相REFINE試験のコホート3で得られた新たなデータを発表しました。この予備的な結果から、本コホートで脾臓容積と症状の改善が得られたことが示されました。このデータは、コホート1aの再発/難治性の患者さんで既に得られているデータと一致しており1、2022年の欧州血液学会(EHA)の年次大会で口頭発表される予定です(抄録番号:S197)2。
REFINE試験は、MF患者さんに対するnavitoclaxの単独投与およびnavitoclaxとルキソリチニブの併用投与の安全性および有効性を評価する第2相、非無作為化、非盲検、マルチコホート試験です。
アッヴィのvice president兼global head of oncology clinical developmentであるMohamed Zaki, M.D., Ph.D.,は次のように述べています。「現時点では、骨髄線維症の治療選択肢は限られており、いずれも疾患による症状コントロールに焦点が当てられています。非臨床試験結果とあわせて、navitoclaxとルキソリチニブの併用投与の線維化に対する作用を示した本試験の初期の結果は期待が持てる内容です。特に、脾臓容積の縮小、症状および骨髄線維化の改善に関する所見は、骨髄線維症における疾患修飾に関する探索を継続することの根拠となるものです」
2022年EHAで発表される結果は、第2相REFINE試験(NCT03222609)のコホート3における、JAK阻害剤による治療歴のない32例のMF患者さんに関する予備的解析から得られたものです2。主要評価項目は、ベースラインから24週時までの脾臓容積の35%以上の縮小(SVR35)としました2。主な副次評価項目は、ベースラインから24週時までの総症状スコアの50%以上の低下(TSS50)、貧血に対する効果および骨髄線維化の改善としました2。
今回の結果では、評価可能な患者さんの63%(32例中20例)が24週時にSVR35に達しており、78%(32例中25例)の患者さんが試験期間中のいずれかの時点でSVR35に達していました2。24週時点で、ベースラインの症状が測定できた評価可能な患者さんの41%(27例中11例)がTSS50に達しており、67%(27例中18例)の患者さんが試験期間中のいずれかの時点でTSS50に達していました2。このコホートでは、ベースライン時と試験期間中の骨髄線維化のグレードを判定しており、評価可能であった患者さんの35%(26例中9例)において、試験期間中のいずれかの時点で骨髄線維化のグレードが1段階以上改善しており、3例の患者さんでは同グレードが2段階以上改善していました2。さらに、MFでよくみられる臨床的特徴である貧血に対し、効果が評価可能であった患者さんの40%(15例中6例)で貧血の改善が示されました2。
予備的な安全性解析では、新たな安全性のシグナルは特定されませんでした。31例(97%)の患者さんで1件以上の有害事象(AE)が報告されました1。特に発現頻度の高かったグレード3以上のAEは、血小板減少症(47%)、貧血(34%)、好中球減少症(25%)でした1。7例(22%)で重篤なAEが報告されました1。3例(9%)にnavitoclaxの投与中止に至ったAEが発現し、3例(9%)でルキソリチニブの投与中止に至ったAEが報告されました2。
インスブリア大学血液学正教授であり、ヴァレ病院の血液学医長(Full Professor of Hematology, University of Insubria and Chief, Hematology, Varee Hospital)であるFrancesco Passamontiは、次のように述べています。「このデータにより、骨髄線維症に対する早期介入が重要であり、臨床アウトカムを改善させる可能性があることが裏付けられています。この予備的な結果から、navitoclaxの併用投与には良好な効果があり、この効果は時間の経過とともに高まる可能性があることが示されています」
Navitoclaxについて
navitoclaxは、治験段階にある経口BCL-XL/BCL-2阻害剤です。BCL-2ファミリータンパク質は、アポトーシス経路を制御することが知られています3。
現時点で、navitoclaxは、米国食品医薬品局(FDA)をはじめとする世界各国の保健当局による承認を得ていません。navitoclaxの安全性および有効性は、進行中の第2相試験と第3相試験において評価が行われています。
アッヴィは、治験薬navitoclaxに関する大規模な後期臨床試験プログラムを実施しており、現在、参加登録が行われています。臨床試験への参加登録に関する詳細情報はこちらをご覧ください。
REFINE試験について
REFINE試験は、MF患者さんを対象として、navitoclaxの単独投与またはルキソリチニブとの併用投与の忍容性および有効性を評価するマルチコホート、第2相、非無作為化、非盲検、多施設共同試験です4。主要評価項目は、ベースラインから24週までに脾臓容積が35%以上縮小した(SVR35)患者さんの割合としています。副次評価項目には、ベースラインから24週までに総症状スコアが50%以上低下した患者さんの割合、European Consensus Grading Systemに基づいて評価した骨髄線維化グレードの変化があります。
2022年 EHAで発表されるデータには、REFINE試験のコホート3(32例)で得られた予備的な安全性および有効性の結果が含まれています。コホート3の患者さんは、脾腫大が認められ、参加登録前にJAK-2阻害剤またはBET阻害剤による治療歴のない原発性MFまたは二次性MFを有する患者さんです。EHA2022で発表するデータは、2022年2月7日までにREFINE試験のコホート3で得られたものです。
2022年EHAの公式抄録集に含まれるデータは、2021年10月4日までにREFINE試験のコホート3で得られたものです。
詳細な情報はhttps://www.clinicaltrials.gov/(NCT03222609)をご覧ください。
骨髄線維症について
骨髄線維症(MF)は、骨髄に過剰な瘢痕組織形成(線維化)をもたらす難治性の希少な血液がんです。MF患者さんでは、脾腫大、疲労、脱力、重度の貧血などの症状がみられ、身体が消耗することが多く、生活の質に大きな影響をもたらすこともあります。また、MFには、急性骨髄性白血病などの、より悪性度の高い疾患に移行するリスクがあります4。
がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、複数の血液がんの標準治療の変革に取り組むとともに、多様ながん種に対する治験薬の開発を積極的に推進しています。献身的で経験豊富な当社のチームは、革新的なパートナーと協力し、画期的新薬となり得る製品の開発促進に努めています。当社は、世界で最も罹患者が多く、また最も消耗性が高いがん種に対し、20種類を超える治験薬を300件超の臨床試験で評価しています。当社の事業の目的は、人々の人生を豊かにすることです。そのため、患者さんが当社のがん治療薬にアクセスすることができるよう、ソリューションの探求にも取り組んでいます。詳細については、http://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、Instagram、YouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。
References:
1.Ruxolitinib with Navitoclax Is Efficacious and Safe in Myelofibrosis. Cancer Discovery 1 May 2022;12 (5): OF4. https://doi.org/10.1158/2159-8290.CD-RW2022-037.
2.Navitoclax plus ruxolitinib in JAK inhibitor-naïve patients with myelofibrosis: Preliminary safety and efficacy in a multicenter, open-label Phase 2 study. [Oral Presentation S197]. Presented at European Hematology Association 2022 Congress (EHA 2022), June 9-12, 2022.
3.Harrison C, Garcia J, Somervaille T, et al. Addition of Navitoclax to Ongoing Ruxolitinib Therapy for Patients With Myelofibrosis With Progression or Suboptimal Response: Phase II Safety and Efficacy. J Clin Oncol. 2022;JCO2102188.
4.Tsujimoto Y. (1998). Role of Bcl-2 family proteins in apoptosis: apoptosomes or mitochondria?. Genes to cells: devoted to molecular &cellular mechanisms, 3(11), 697–707. https://doi.org/10.1046/j.1365- 2443.1998.00223.x