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株式会社OTSL
OTSL、性能強化した自動運転向けミリ波レーダ専用シミュレータ製品を発表
~ 並列処理の強化でシミュレーション性能が10倍以上に向上 ~
近距離無線システムおよび組込みシステム等の開発・販売を行う株式会社OTSL(本社:愛知県名古屋市、代表取締役兼CEO:波多野 祥二)は、自動運転向けミリ波レーダ(*1)の3Dリアルタイム・シミュレータ新製品「AMMWR2(Advanced Millimeter Wave Radar Simulator 2)」を発表します。2017年に世界で初めて動的なリアルタイムシミュレーションを可能にした自動運転向けセンサ・シミュレータとしてAMMWRを市場投入して以来、積極的な開発投資を続け、今回発表するAMMWR2で機能強化および性能向上を図りました。自動車メーカをはじめ、車載センサを開発・設計・製造するシステムサプライ・メーカ、センサデバイスを開発する半導体メーカを対象に、年内をめどに全世界で販売開始する予定です。
世界中で自動運転の実用化が進むとともに、あらゆる走行条件を仮想的に再現し、安全かつ正確に検証できる高性能なシミュレーション技術への期待が高まっています。しかし、現在の自動運転車は米国自動車技術会が示す基準のレベル2もしくはレベル3に留まっており、システム監視による完全自動運転を実現するレベル5を目指すには、電子デバイスの不良やセンサの故障による事故の可能性まで視野に入れたシミュレーションが不可欠です。本日発表するAMMWR2は、半導体やセンサなどの電子デバイスのレベルからAD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)のシミュレーション領域までカバーする唯一のミリ波レーダ・シミュレータです。
AMMWR2は、光学シミュレーション分野で使用されているレイトレース法(*2)と独自の反射モデルを用い、EPIC Games社のUnreal Engine 4に道路や街路樹、街灯、信号機、標識などの反射・回析モデルが組み込まれた専用の3DCGマップを実装することによって、動的なオブジェクトのリアルタイムシミュレーションを実現しています。オリジナルの測定法を開発し、測定によって得られた反射データから反射モデルを作成することにより、自動車や歩行者、信号機、標識などの形状や素材まで反映し、レーダから照射された電波がどのように反射するかを正確にシミュレーションできます。COSEDA Technologies GmbHが提供する半導体の回路設計からシステム設計レベルまで対応したSystemC AMS設計・シミュレーションツール「COSIDE®」(*3)と連携することで、自動車本体はもとよりセンサや電子制御ユニット(ECU)などのハードウェアを一切用意することなく、すべてソフトウェアでシミュレーション可能な環境が構築できます。
AMMWR2の主な強化ポイントは以下のとおりです。これらの性能向上および機能強化により、自動運転技術に取り組む各メーカの開発・検証期間の短縮化をさらに促進します。
・内部のコードの最適化と超並列処理手法により、シミュレーションエンジンの高速化を図りました。これにより、レイトレースによるシミュレーションの性能が10倍以上に向上しました。
・COSEDA Technologies GmbHのSystemC AMS設計・シミュレーションツール「COSIDE®」との連携を強化し、Bosch社のFR5CPECやContinental社のARS540などTier-1がOEMに提供している自動車用レーダを独自にモデリングしたレーダモデルに加え、様々なレーダをカスタムモデルとして利用することが可能になりました。
・自動運転のアルゴリズム開発・検証で幅広く使用されているオープンソースのCARLAシミュレータとAMMWR2を統合して利用できるようになりました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202206172654-O1-0QZ9748o】
なお、本年6月21日から23日までドイツ・シュトゥットガルトで開催される自動運転技術の展示会「ADAS &Autonomous Vehicle Technology Expo」に出展し、AMMWR2を紹介します。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202206172654-O2-zYBt9jrF】
OTSLでは、AMMWRを主力とする自動運転向け3次元リアルタイム・センサ・シミュレータ製品群「COSMOSIM ®(コスモシム)」の強化のため、2019年10月にドイツ・ミュンヘンに現地法人を設立して開発・営業拠点を移しました。今後もグローバルにビジネスを展開し、優れた自動運転向けシミュレーション環境の実現に貢献してまいります。
(*1)ミリ波レーダ:波長が1~10mm、周波数が30~300GHzのミリ波帯域の電波を対象物に向けて発射し、その反射波を測定することにより、対象物までの距離や方向、大きさを測る技術。
(*2)レイトレース法:幾何光学的理論に基づいて光線や電波を追跡することで、任意の点において観測される像などを描画する手法。
(*3)COSIDE®:COSEDA Technologies GmbHが開発したシステム設計ツールで、高度で複雑な設計を迅速かつ効果的に、コスト効率よく実行することができる。
<OTSLについて>
OTSLは、組込みシステムやリアルタイム・システム、近距離無線システムの企画開発を通じて高い技術力を提供するテクノロジ企業です。「論理により、人類の発展に貢献する。高い信頼性を持つシステムを提供し、暮らしを豊かにする顧客製品に寄与する」を企業理念として、システム開発・ソフトウェア開発や品質保持に関するコンサルティング、教育サービスの提供に至るまで、先進企業がITのテクノロジ・メリットを最大限に享受しながら、テクノロジ・アドバンテージを製品とサービスの更なる進化へと直結させることを目的とした様々なサポート活動を展開しています。2003年設立。
<商標登録>
OTSLおよびOTSLのロゴ、製品名は、株式会社OTSLの登録商標です。その他の会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
■お客様からの製品に関するお問い合わせ先
株式会社OTSL GSS事業部 国内営業責任者 伊藤聡
TEL: 052-961-1010 FAX: 052-961-8818
sales@otsl.jp