脱炭素社会に向けたEVを活用したVPPモデルづくりへの挑戦

オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:細井俊夫、以下「OSS」)は、自然電力株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役:磯野謙、川戸健司、長谷川雅也、以下「自然電力」)とともに、京都府舞鶴市にて、EVの充放電を制御する実証実験を2022年7月1日より開始いたします。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202206072207-O1-KTaUkuyt】   【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202206072207-O2-4qTRfHo6

 

1.本実証実験の背景

舞鶴市とOSSは2019年4月に包括連携協定を締結。2030年を見据え、地方都市が外部環境に依存せず、自ら稼ぎ、安定した地域経済を実現する持続可能な社会を目指し、日本の地域の課題解決に取り組んでいます。舞鶴市とOSSは「社会と環境と経済が調和する持続可能なまちづくり(再生可能エネルギー自給率向上への挑戦)」を掲げ、太陽光発電・蓄電システムやEMS(エネルギーマネジメントシステム)の導入など、省エネ・創エネ・蓄エネなどを組み合わせたトータルなエネルギーソリューションを活用し、舞鶴市の再生可能エネルギー100%のまちづくり実現への取り組みを推進しています。

 

EVおよびV2H充放電設備について

EVと再生可能エネルギー発電設備を組み合わせることでCO2排出量ゼロの電力を利用することが可能です。中でもEVからの充放電を行うためのEV用パワーコンディショナであるV2H(※1)充放電設備は、EVを蓄電池のように利用でき、再生可能エネルギー発電設備からの余剰電力を無駄にせず蓄えることができるため、災害時にはEVが電力供給源となり、平常時にも電気代削減効果が期待できます。

 

2.実施内容

今回の実証実験では、舞鶴市が公用EVを提供し、OSSにて舞鶴東体育館に新たにカーポート型太陽光発電・蓄電池設備およびV2H充放電設備を導入し、EMSによる定置型の蓄電池自動制御および「DriveKarte S(※2)」での車両予約管理を行います。自然電力では開発・提供するアグリゲート・エネルギーマネジメント・システム「Shizen Connect(※3)」でのEV制御を行います。

これにより、再生可能エネルギーの自給率向上およびピークカットによる経済性の向上などを検証します。また、V2H充放電設備により、EVを蓄電池のように利用することで、太陽光発電設備からの余剰電力を蓄え、電力使用コストの削減、および災害時の電力供給源としてのEV活用が期待できます。

 

■本実証実験の実施概要

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3.検証内容

なお、本実証実験では以下の効果を検証します。

 

・カーポート型太陽光発電設備から舞鶴東体育館への給電による再生可能エネルギー自給率の向上

・V2H充放電設備利用による、電力使用量の多い時間帯でのEVに蓄えた電力を使用したピークカット実施と、電力使用コストの削減と再生可能エネルギー自給率の向上

・定置型蓄電池の自動制御とV2H充放電設備の遠隔自動制御の共存によるエネルギーマネジメントの最適化

 

 

将来的には、地域単位で再生可能エネルギー発電設備や蓄電池・EVを制御することで、複数の分散された発電所をデジタル技術で制御・統合することで一つの発電所のように機能させるVPP(※4)の地域レベルでの実現を目指します。

 

OSSと自然電力は、今回の舞鶴市をモデルケースとした成功事例を、同様のエネルギーマネジメントでの課題を抱える日本の地方自治体へ展開することで、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

 

※1 V2H(Vehicle to Home):EVへの充電だけではなく、EVから家庭へ電気を送ること。また、災害時にもEVから給電することにより普段と同じように家電等を使用することが可能

※2 DriveKarte S(ドライブカルテS):OSSが提供するスマートフォンアプリとクラウドを用いた安全運転管理サービス

※3 Shizen Connect(シゼンコネクト):自然電力が提供する再エネ発電設備や蓄電池・EV・EQなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギーマネジメント・システム

※4 VPP(Virtual Power Plant):複数の分散された発電所をデジタル技術で制御・統合した仮想発電所

 

<関連情報>

パワーコンディショナ・定置型蓄電池について:

https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/energy/product/bt/kpbp.html

「DriveKarte S」について:

https://socialsolution.omron.com/jp/ja/products_service/transportation/drivekarte/drivekarte-s/

「Shizen Connect」によるV2H機器制御でのコスト削減実証結果について:https://www.shizenenergy.net/2022/03/14/shizen_connect_v2h/

 

【実証実験実施概要】

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102197/202206072207/_prw_PT1fl_3t5BZjWa.png

 

【舞鶴市について】

舞鶴市は、縄文時代から交易の要所として繁栄し、明治34年の舞鶴鎮守府の開庁以来、日本海側で唯一の軍港都市として発展してきました。市内は戦国武将・細川幽斎が築いた田辺城の城下町として古い町並みが残る「西地区」と、「日本遺産」に認定された旧海軍ゆかりの「赤れんが倉庫群」など、近代化遺産が数多く残る「東地区」を中心に形成されています。現在、市内沿岸部には海上自衛隊舞鶴地方総監部、第八管区海上保安本部が設置され、「海上自衛隊」と「海上保安庁」の拠点が同一の市に設置されている全国で唯一の都市です。また、舞鶴市は戦後13年間にわたり、海外から約66万人の引揚者を迎え入れた「引き揚げのまち」でもあり、舞鶴市が所蔵するシベリア抑留と引き揚げに関する資料570点がユネスコの「世界記憶遺産」に登録されています。(人口:80,565人、面積:342.12㎢)

 

【オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社について】

オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社は、これまで独自のオートメーション技術により、自動改札機などの駅務自動化システムをはじめ、世界初・日本初の社会公共システムを数多く生み出してきました。これからも労働力不足やエネルギー、レジリエントなどの社会課題をいち早く捉え、IoT・AI・ロボティクスなどの最先端技術、ソフトウェア、運用・メンテナンスのトータルサービスでソリューションを構築し、安心・安全・快適な社会づくりに貢献してまいります。

 

【自然電力株式会社について】

2011 年 6 月設立。「青い地球を未来につなぐ」を掲げ、日本全国でグループとして約 1 ギガワット(2019 年 12月末時点)の自然エネルギー発電事業に携わっています。太陽光・風力・小水力等の自然エネルギー発電所の設置・運営に必要な、開発・EPC(設計・調達・建設)・O&M(運営・保守)・アセットマネジメント・電力小売事業等、すべてのサービスを手掛けています。2016年より海外事業にも注力しており、東南アジア・ブラジルを中心に開発事業・発電事業を展開しています。

<「Shizen Connect」について ( https://se-digital.net/connect)>

Shizen Connect(シゼンコネクト)は、再エネ発電設備や蓄電池・EV・EQなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギーマネジメント・システムです。住宅の太陽光発電と蓄電池、EV充電器などの制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッドの制御、数千台規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。これまで分断されがちな個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供できるので、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられ、またベンダーフリーなのでメーカー依存なくエネルギーリソースは自由に選定できます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202206072207-O4-4n657m5k

 

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 オムロン ソーシアルソリューションズと自然電力がEV向けスマート充放電サービスの実証実験を7月より開始