近年の金融業界でのフィンテックの急増により、顧客がバンキング体験に期待することにパラダイムシフトが生じ、多くの伝統的なサービスプロバイダーが収益とレリバンシーの課題に直面しています。本レポートのVoice of the Customer調査では、回答者の約75%が、コストを抑えながら迅速かつ使い勝手のよい、すぐに利用できる製品や体験を提供する新興の機動的な競合他社に魅力を感じていることが明らかになりました。一方、回答者の半数近くが、現在利用している金融機関との関係に満足していない(49%)あるいは感情面での結び付きはない(48%)と答えています。また、回答者の52%は銀行サービスは「楽しくない」と答えています。こうした競合他社に後れを取らないように、リテールバンクはビジネスモデルを再考し、顧客エンゲージメントの向上に注力する必要があります。
成長を最適化するために、銀行はプラットフォームベースのモデルの活用が不可欠 調査によると、70%を超える金融機関幹部が、伝統的な銀行はデータおよび分析能力が不足していると回答しています。既存の銀行が機敏なフィンテックに追いつこうとする中、多くのプロバイダーは従来型のサービスや製品と、非金融ライフスタイル製品を融合しています。また、非金融系サードパーティエコシステムを通じた、Banking as a Service(BaaS)および組込型金融ソリューションの提供も見受けられます。プラットフォームモデルはデータエコシステムから必要な情報を取り出してリアルタイムのインサイトを得る上で非常に適しているため、パーソナライズのためのデータ収集に役立ちます。しかし、銀行にとってプラットフォームベースのモデルは新しい概念ではないものの、多くの銀行がその実行に未だ苦慮しているのが現状です。経営幹部を対象とした調査では、回答者の78%がエコシステムパートナーを介した製品のカニバリゼーションについて、また72%がブランド希薄化の防止について懸念していることが明らかになりました。レポートでは、顧客が求めるパーソナライズされたオムニチャネル体験やエコシステムジャーニーを提供するためには、新しいテクノロジーを採用し組織内でサイロ化されている部分を取り払うことに重点を置いて、前述の課題を解決する必要があると指摘しています。
調査手法 ワールド・リテール・バンキング・レポート2022は、2つの主要情報源からのインサイトに基づいています。具体的には、8,051人の回答者からの意見に基づくThe Global Retail Banking Voice of the Customer survey 2022と、142人の金融機関幹部へのインタビューと調査に基づくRetail Banking Executive Surveys and Interviews 2022です。これらの調査には、次の29の市場からのインサイトが含まれています。オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、エジプト、フランス、ドイツ、香港、インド、インドネシア、アイルランド、イタリア、日本、クウェート、ルクセンブルク、マレーシア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、カタール、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、UAE、イギリス、アメリカ 詳細については、https://worldretailbankingreport.com/をご覧ください。
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