研究グループはこれまでに、がん幹細胞のCDK8タンパク質の働きを阻害することでがんの進展を抑制することに成功しており、がん幹細胞を標的とする治療法の有効性を示しました(Fukasawa K. et al., Oncogene (2021))。また、同グループは、骨や脂肪を生み出す間葉系幹細胞の機能調節にSMURF2タンパク質が重要であること、さらにSMURF2の働きを制御する “スイッチ”(=Thr249(※4)のリン酸化)を発見しています(Iezaki T. et al., Development (2018))。
【用語解説】 ※1 SMAD specific E3 ubiquitin protein ligase 2(SMURF2) E3ユビキチンリガーゼと呼ばれる酵素の1つで、リン酸化(後述)によって活性化される。ユビキチンという「目印」をつけることで、特定のタンパク質の分解を促進させる働きを持つ。近年、様々ながんの発症・進展に関わっていることが報告されている。