新潟大学大学院医歯学総合研究科脳機能形態学分野の備前典久助教、竹林浩秀教授らの研究グループは、脳や脊髄などの中枢神経系の発生の際に神経前駆細胞(1)とオリゴデンドロサイト前駆細胞(2)の生存に必須の分子『Ddx20』(3)を発見し、その分子作用メカニズムを明らかにしました。本研究の成果により、先天性神経疾患や多発性硬化症などの脱髄疾患の病因解明と治療法開発につながることが期待されます。さらに、本研究により明らかになったことは細胞生存のための基本的なしくみであると考えられ、がんを含む様々な組織の病態に関与する可能性があります。この研究は、新潟大学脳研究所モデル動物開発分野の﨑村建司名誉教授、阿部学准教授、京都府立医科大学の小野勝彦教授らとの共同研究で行われました。この研究成果は、2022年1月1日にCell Death and Differentiation(セル・デス・アンド・ディファレンシエーション)誌にオンライン版で先行公開されました。
Ⅴ.研究成果の公表 本研究成果は、2022年1月1日、SpringerNatureが刊行する科学雑誌Cell Death and Differentiation誌(IMPACT FACTOR 15.828)のオンライン版に先行掲載されました。 論文タイトル:Ddx20, an Olig2 binding factor, governs the survival of neural and oligodendrocyte progenitor cells via proper Mdm2 splicing and p53 suppression 著者:Norihisa Bizen, Asim K Bepari, Li Zhou, Manabu Abe, Kenji Sakimura, Katsuhiko Ono, Hirohide Takebayashi doi: 10.1038/s41418-021-00915-8