地域別に結果を比較すると、市街地が郊外よりも電波ばく露レベルが高い傾向(4倍程度)が示されました。この傾向は、過去(約10年前)と現在で変わりませんでした。地下街の電波ばく露レベルは、郊外より若干大きい結果となりました(図1右参照)。 また、それぞれの地域について過去と現在の測定結果を比較した場合、市街地・郊外共に、過去よりも現在の方が電波ばく露レベルは約3倍上昇している傾向が示されました(図1右参照)。さらに、地下街の電波ばく露レベルは過去に比べて顕著な上昇(約100倍)が示されましたが、これは、過去の測定時には携帯電話サービスが地下街の一部で利用できなかった状況が、現在では改善されているためと考えられます。 電波ばく露レベルが上昇傾向にあるものの、いずれの場合も電波防護指針に対して十分に低いレベル(中央値で約1/10,000以下)ということが明らかになりました(図1右参照)。また、今回得られた電波ばく露レベルは、最近の海外での測定結果と比べて約1/15でした。 これらの研究成果は、2021年7月に国際学術論文誌International Journal of Environmental Research and Public Healthに論文として掲載されました。