本発表の詳細は、早稲田大学Webページをご覧ください。
https://www.waseda.jp/top/news/76992

【発表のポイント】
◆ アト秒レーザー光を用いた新たな測定法により、光の位相と原子の位相を分けて測定した。
◆ 電子の干渉による重なりを分離して、個別の複素数の波動関数イメージを得ることに成功。
◆ 極端紫外(EUV)領域のアト秒・超短レーザー分光など光量子技術の発展、新規な量子力学計算法の発展、光によって機能する物質や生体分子の開発に寄与することが期待される。

【概要】
早稲田大学理工学術院の新倉 弘倫(にいくら ひろみち)教授とカナダ国立研究機構の研究者らは、アト秒レーザー光を用いた二次元アト秒測定法により、光のスペクトル位相と原子由来の位相とを分けて測定し、重なり合っていた電子波動関数を分離してイメージングすることに成功しました。この測定方法や解析法は、アト秒領域での固体物理分野などの研究の発展につながり、新しい量子工学技術や光計測技術などの分野での活用も期待されます。
本研究成果は、アメリカ物理学会発行の『Physical Review A』に、“Complete characterization of attosecond photoelectron wave packets” として、2021年11月23日(火)にオンラインで公開されました。

【論文情報】
雑誌名:Physical Review A104, 053526 (2021).(アメリカ物理学会誌)
論文名:Complete characterization of attosecond photoelectron wave packets
執筆者名(所属機関名):D.M.Villeneuve (National Research Council of Canada &University of Ottawa), Peng Peng (National Research Council of Canada &University of Ottawa &ShanghaiTech University), Hiromichi Niikura (Waseda University)* 
*責任著者
掲載日時(オンライン):2021年11月23日(火)
掲載URL: https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevA.104.053526
DOI: 10.1103/PhysRevA.104.053526

【研究助成】
研究費名:科学研究費補助金 基盤研究A 18H03903
研究課題名:アト秒位相分解波動関数イメージング法による新規な量子選択性の研究
研究代表者名(所属機関名):新倉弘倫(早稲田大学)

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 アト秒レーザーで光と原子の位相を分離した測定に成功