武蔵野美術大学 美術館・図書館

 武蔵野美術大学 美術館・図書館では展覧会「ART-BOOK: 絵画性と複製性—MAU M&L貴重書コレクション × Lubokの試み」を開催します。
【会期:2021年9月6日(月)- 10月2日(土)、10月18日(月)- 11月13日(土)】

 本展では、書物における版画に焦点を当て、当館の貴重書コレクションを体系的に展観するとともに、現代の版表現の可能性を拡張するライプツィヒの出版社ルボーク・フェアラーグ(Lubok Verlag)の活動を紹介し、書物における「絵画性」の在りかを版画というメディウムの技術的、表現的側面から紐解きます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202107067329-O1-48eu0R87

本展の見どころ
| 第一部:貴重書コレクション |
 書物の長い歴史のなかで、版画はその視覚的表象の中枢を担ってきました。活版印刷術の発明により書物が容易に複製されるようになると、それまで人の手により書き写されてきた挿絵や図版も版画により複製され、時代思潮や社会的背景、技術の発展とも結びつきながら、多様な表現を見せ始めます。第一部では、当館が所蔵する貴重書コレクションの中から、版画による挿絵や図版表現の優れた書物を厳選し、三章に分けてご紹介します。絵画や複製との関連も視野に入れながら、版画というメディウムに固有の技法と表現を、いま一度捉え直すことを試みます。

 第一章では、15世紀後半から16世紀の書物に見られる挿絵や図版を取り上げます。この頃の主要な技法である板目木版は、表現上の制約が多い反面、版刻が比較的容易であることや活字組版と同時に印刷できる利便性から多用され、素朴ながら味わい深い挿絵や内容の補足を旨とする図版がテキストの傍を彩りました。
 第二章では、17世紀から19世紀の書物における図版の再現性に焦点を当てます。エングレービングやエッチング、リトグラフ、木口木版等、あらゆる版画技法が出揃うこの時代、彫版や印刷の技術は飛躍的な発展を遂げ、現実の事物や絵画そのものと見紛うほどの、精緻な図版表現が可能となりました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202107067329-O2-1o0mxx13

 第三章では、19世紀後半から20世紀中葉にかけて変容した版画の在り方を再考します。この頃、写真製版技術の普及に伴い、従来の版画技法を用いた挿絵や図版は衰退の一途を辿ります。他方、芸術家のイデーを直接的に表現する手段として、書物や版画に新たな光が当てられます。近代美術の実践と並走するかのような、絵画性を全面に打ち出した版表現や、書物の装飾や壁紙のデザイン等、応用的側面への探求が試みられ、版画の持つ可能性が見直されることとなりました。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202107067329-O3-c240D4U8

第二部:Lubokの試み
 現代の版表現の可能性を拡張するドイツ・ライプツィヒの出版社ルボーク・フェアラーグ(Lubok Verlag)の活動を、主宰者であるクリストフ・ルックへバーレの作品群と共に紹介します。ルックへバーレは、リノリウム版を用いたアートブックを出版するいっぽう、アーティストとしては絵画を軸に置きながら、版画や立体作品、インスタレーションなどさまざまな形式で表現を展開しています。版表現を通して自由に領域を横断する制作姿勢は、広くグラフィックアーツとしての版画がもつ今日的可能性を示しています。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202107067329-O4-j0u951WB

| 作家紹介 |
ルボーク・フェアラーグ(Lubok Verlag)
ドイツ人アーティスト、クリストフ・ルックヘバーレが主宰する出版社。ライプツィヒを拠点に2007年に創設。Lubokとはロシアの民衆版画、Verlagはドイツ語で出版社を意味する。彼らが作るアートブックは、リノカットの版画そのものが束ねられ、ページを開いた瞬間にインクの匂いが立ち上がる。また、木版画、クリシェ・ヴェール(ガラス版画)、フォトポリマー、シルクスクリーン、リソグラフ、オフセットなどの多様な印刷技術を取り入れ、それらを自在に組み合わせながら、現代の書物から失われつつある版の物質性を活かした表現を特徴とする。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202107067329-O5-8DSZ3Kjd

| 展覧会概要 |
ART-BOOK: 絵画性と複製性—MAU M&L貴重書コレクション × Lubokの試み
 会場:武蔵野美術大学 美術館展示室1・2、アトリウム1・2
 会期:2021年9月6日(月)- 10月2日(土)、10月18日(月)- 11月13日(土)
 開館時間:10:00-18:00(土曜日・特別開館日は17:00閉館)
 休館日:日曜・祝日 
 ※9月20日(月・祝)・23日(木・祝)・10月31日(日)は特別開館日
 入館料:無料
 主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
 監修:高浜利也(武蔵野美術大学 造形学部油絵学科版画専攻教授)
 企画:武蔵野美術大学 美術館・図書館
 企画協力:飯沼珠実
 協力:武蔵野美術大学油絵学科版画研究室、Lubok Verlag
 助成:Institut für Auslandsbeziehungen
 ※会期などは、変更になる場合があります。最新情報は当館webサイトでご確認ください。
  武蔵野美術大学 美術館・図書館 ウェブサイト https://mauml.musabi.ac.jp
【同時期開催】
川口起美雄—I’ll be your mirror」会期:2021年9月6日(月)- 10月2日(土)
牧野良三—舞台美術における伝達と表現」会期:2021年10月18日(月)- 11月13日(土)

| 広報用図版をご希望の方へ |
・下記の注意点をご参照の上、ご希望の図版番号と必要事項をEメールにてお知らせください。
(お名前、ご所属、電話番号、Eメール、媒体名、掲載号、発行予定日、コーナータイトル)
・希望図版が1点のみの場合は、図版10.クリストフ・ルックへバーレによる壁紙図案 をお送りします。2点以上の場合は、図版10.クリストフ・ルックへバーレによる壁紙図案+ご希望の図版をお送りします。
・図版を使用する場合は、作家名・作品名・制作年・所蔵を必ず明記してください。
・原則的には図版のトリミング、部分使用、文字載せはご遠慮ください。
・掲載内容確認のため、発行前にPDF等で原稿をお送りください。
・紙媒体は掲載見本のご寄贈(掲載ページのPDF可)、ウェブ媒体は掲載ページのURLお知らせをお願いします。

 

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 展覧会「ART-BOOK: 絵画性と複製性 —MAU M&L貴重書コレクション×Lubokの試み」開催(美術館・図書館)