■概要 早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の小島 秀子(こしま ひでこ)招聘研究員と、理工学術院の朝日透(あさひ とおる)教授、長谷部 翔大(はせべ しょうだい)同大学大学院先進理工学研究科2年(一貫制博士課程2年)、萩原 佑紀(はぎわら ゆうき)同大学大学院先進理工学研究科3年(一貫制博士課程3年)・日本学術振興会特別研究員(DC1)らの研究グループは、光熱効果によって高速で動く新たな結晶の開発と、結晶が高速で屈曲する機構の解明に世界で初めて成功しました。 従来の動く結晶の多くは光異性化に基づいていますが、光異性化はごく限られた結晶でしか起きない、厚い結晶は屈曲しない、動きが遅い、などの問題点がありました。今回の光熱効果を用いれば、ほとんどの結晶を高速で動かすことができると期待されます。また屈曲シミュレーションにより動きをデザイン・設計できるようになりました。将来的には、光熱効果で動く多種多様な結晶の開発のみならず、光で動くアクチュエータ、ソフトロボットへの応用が期待されます。 本研究成果は、米国化学会誌『Journal of the American Chemical Society』のオンライン版に2021年6月7日(月)(現地時間)に掲載されました。