2021年5月19日
株式会社日立製作所
積水ハウス株式会社
一般社団法人企業間情報連携推進コンソーシアム

 株式会社日立製作所(執行役会長 兼 執行役社長 兼 CEO: 東原 敏昭/以下、日立) 、積水ハウス株式会社(代表取締役社長執行役員 兼 CEO:仲井 嘉浩/以下、積水ハウス)、一般社団法人企業間情報連携推進コンソーシアム(理事長:市川 芳明/以下、NEXCHAIN) *1は、大阪市の協力のもと、2021年5月20日より、積水ハウスが提供する大阪市内の賃貸物件について、同意を得られた入居者を対象に、積水ハウスの賃貸契約と大阪市への水道使用開始に関する一連の手続きを、ワンストップで実施する実証実験を開始します。

 本実証は、不動産賃貸管理会社が入居申込・契約時に得た本人確認情報をインフラ会社・事業者と連携することで、従来、賃貸入居後に必要となる電気やガス、水道などの契約手続きの効率化をめざすものです。今回は、水道使用開始手続きを対象に、積水ハウスと大阪市の間でブロックチェーン技術を活用した*2官民データ連携の検証を行います。今後も、本格導入に向け適用範囲の拡大などを行い、賃貸住宅サービスにおける新たな付加価値の提供や、大阪市のスマートシティの実現に向けた取り組みを推進していきます。

 

     【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202105195040-O4-46WZqJkM

賃貸契約と水道使用開始手続きのワンストップ化について

 

■実証実験の内容

 日立と積水ハウスは、官民データ連携の促進・活用などを行うNEXCHAINの活動に参画し、企業間のセキュアなデータ連携を可能にするNEXCHAINプラットフォームを用いて本人確認情報を連携し、引っ越し時に発生する複数のサービスとの契約手続き効率化に向け検証を重ねてきました*3。

 

 今回の実証実験は住民の利便性向上や大阪市水道局における業務効率化とオンライン化の推進を目的にしたもので、日立が実証の企画・推進を取りまとめ、積水ハウスに登録された情報を、NEXCHAINプラットフォームを通じて大阪市水道局に連携し、物件への入居申込・賃貸契約と水道の使用開始手続きをワンストップで実施する検証を2021年5月20日から6月30日まで行います。

 入居者は、物件の賃貸借契約時に賃貸入居申込サイト(ShaMaison room Web)から必要な情報を登録することで、水道使用開始手続きも一括して可能となり、利便性が向上します。

 また、登録された情報をNEXCHAINプラットフォーム経由で連携することで、大阪市水道局のコールセンターにおける電話による申込からWeb申請へのオンライン化推進、業務効率化に向けた効果検証を行います。

 なお、NEXCHAINは賃貸入居プロセスをワンストップ化する商用サービスを2021年1月から提供し、民間企業間でのデータ連携を開始しました。本実証実験は、官民でデータを連携する初の取り組みとなります。

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M100045/202105195040/_prw_PT1fl_m642814y.png

■取り組み背景

 2019年12月に、「デジタル手続法*4」が施行され、行政手続きのオンライン化が原則化されました。なかでも、デジタル化の基本原則に「コネクテッド・ワンストップ」が位置づけられ、自治体においても民間サービスを含め複数の手続き・サービスをワンストップで実現し、住民の利便性向上や自治体職員の人的負担を軽減することが期待されています。また、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、非接触・非対面による手続きが求められています。

 大阪市では、スマートシティの実現に向け、市民の生活の質(Quality of Life)向上や都市機能の強化をめざし、先端技術の活用を推進しています。大阪市と日立は、2019年9月に、スマートシティの実現に向けたデータ利活用に関する連携協定を締結し*5、AIやIoTをはじめとしたデジタル技術の活用による市民サービスの向上や地域ビジネスの活性化、行政事務の効率化など、データに基づく政策立案(EBPM: Evidence-Based Policy Making)の推進に、共同で取り組んできました。さらに、地域の民間企業も交えて、公共機関および民間企業の官民データを連携させた新たなサービスビジネスを協創する活動も行っています。

 

■今後の展望

 今後、日立、積水ハウス、NEXCHAINは、実証実験の成果をもとに、サービス適用範囲の拡大や本格導入に向けて賃貸入居手続きのワンストップ化を推進していきます。

また、日立は大阪市とともに、2025年に開催予定の大阪・関西万博を見据えたスマートシティの社会実装に向けて協創を進めるほか、これらのデータ利活用やスマートシティ開発の知見・技術を活用し、同じ課題を持つ自治体への展開を図り、自治体分野のデータ利活用の促進、スマートシティの実現を支援し、社会に貢献していきます。

 

<注釈>

※1企業間情報連携推進コンソーシアム(NEXCHAIN):あらゆる企業が、安全性の高い環境で情報を連携できる基盤を整備することで、 お客さまと企業の双方に有益なエコシステムを実現し、オープンイノベーションを加速することを目的とした一般社団法人(https://www.nexchain.or.jp)。 NEXCHAINは、賃貸入居プロセスのワンストップ化のための商用サービスを2021年1月から開始https://www.nexchain.or.jp/news/2021/d69608-10-pdf-0.pdf

※2ブロックチェーン技術は、NEXCHAINプラットフォームに採用されている技術の一つで、耐改ざん性の特徴を活かし企業・事業者間の取引履歴情報を記録・管理します。なお、企業・事業者間で連携される氏名などの本人確認情報は、オフチェーン領域経由で連携し情報連携後にNEXCHAINプラットフォームからは削除されます。

※32019年9月27日ニュースリリース「賃貸契約を効率化する企業間情報連携基盤の商用化に向け協創を加速」https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/09/0927a.html

※4デジタル手続法:令和元年5月31日公布の「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律」を正式名称とし、行政手続きをオンライン化し、ユーザーの利便性を高めるとともに、行政の効率化につなげることを目的とした法律

※52019年9月30日ニュースリリース「大阪市とスマートシティ実現に向けたデータ利活用に関する連携協定を締結」https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/09/0930.html

 

以上

情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 大阪市で入居手続きの効率化に向け 賃貸契約と水道使用開始手続きをワンストップで実施する実証実験を開始