共同開発では、IBMが主催する異業種による基礎研究コンソーシアムIBM Research Frontiers Instituteが研究テーマの一つとして掲げる“HyperTaste”に、化学品や食品素材の取り扱いに強みを持つNAGASEグループの知見を掛け合わせ、化学品分析サービスとして実用化することを目指します。“HyperTaste”は味覚成分の組み合わせを学習することで味覚をデータ化する学習型AIセンサーで、電気化学ポテンシャル(液体中のイオン分布によるセンシング電極の電圧)の変化から液体中のイオン等の成分を分析する機能を化学品の精度測定に応用します。
一般的に、化学品取引においてはメーカー側にて評価された「分析証明書(Certificate of Analysis, COA)」により品質が保証されていますが、分析データの転記ミスや製品ラベルの貼付ミスなどにより、分析証明書と製品の現物とが乖離しており、輸出入者や顧客側で確認が必要となるケースもあります。現状、このようなケースにおいては分析に専門機器が必要であり、且つ分析に一定の時間(約1日~数日程度)がかかるため、機器の導入コストや設置場所、またリアルタイムの分析が難しいことが課題となっています。