イリノイ州ノースシカゴ、2020年10月29日(米国時間)—アッヴィ(NYSE: ABBV)は、第29回欧州皮膚科・性病科学(EADV)オンライン会議にて、ウパダシチニブ(15 mgまたは30 mg、1日1回投与)単剤療法を受けたアトピー性皮膚炎の患者さんにおいて皮膚症状およびかゆみの軽減を達成した割合が、プラセボと比較して有意に高かったことを示す最新のデータ解析結果を発表予定です1。これらのデータは、第III相試験であるMeasure Up 1およびMeasure Up 2試験から得られたものであり、米国食品医薬品局および欧州医薬品庁に提出した中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する成人および青年患者さんに対するウパダシチニブの承認申請を裏付けるものです。
Measure Up 1およびMeasure Up 2の両試験で、ウパダシチニブのいずれかの用量を投与された患者さんにおいて、16週時の湿疹面積・重症度指数のベースラインから90%以上の改善(EASI 90)の達成率が、プラセボを投与された患者さんと比較して有意に高いことが示されました(Measure Up 1試験では、プラセボ群の8%に対し、ウパダシチニブ15mg群が53%、30 mg群が66%。Measure Up 2試験では、プラセボ群の5%に対し、ウパダシチニブ15mg群が42%、30mg群が58%(p<0.001))1。また、ウパダシチニブの両用量群で、4週時における臨床的意義のあるかゆみの軽減を達成した患者さんの割合がプラセボと比較して有意に高く、16週時まで維持されました1。臨床的意義のあるかゆみの軽減は、最悪のかゆみの数値評価スケールスコア(最悪のかゆみのNRSスコア: Worst Pruritus Numerical Rating Scale)で4点以上の改善と定義されています1。
ニューヨーク州のマウントサイナイ ・アイカーン医科大学皮膚・免疫学科教授、Excellence in Eczemaセンター長、炎症性皮膚疾患研究室長、皮膚科学部の次期学部長でもある治験責任医師のエマ・ガットマン-ヤスキー医学博士、M.D. Ph.D.*は次のように述べています。「今回の結果で、ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、EASI 90または皮膚症状のほぼ消失が高い割合で達成され、かゆみが有意に軽減がが示されたことに勇気づけられる思いです。ウパダシチニブの反応の早さと程度は、日常生活に大きな影響を及ぼす疾患による負担に苦しんでいる多くの患者さんにとって意義のあるものです」
Measure Up 1およびMeasure Up 2試験のトップライン結果として、ウパダシチニブ(15 mgまたは30 mg)が主要評価項目である16週時のEASI 75および治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価(vIGA-AD)スコア0/1(「消失」または「ほぼ消失」)を達成したことを今年初めに発表しました1。
b vIGA-AD 0/1は、治験責任医師によるアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価で0/1(「消失」または「ほぼ消失」)と判定され、かつベースラインから2グレード以上減少した場合と定義。
c EASI 90は、湿疹面積・重症度指数の90%以上の低下と定義。
d 最悪のかゆみのNRSの4点以上の改善は、最悪のかゆみNRSスコアが4点以上改善(減少)した場合と定義。この評価項目について、ベースラインで最悪のかゆみNRSが4点以上であった患者さんを対象に解析を実施。
e DLQI 0/1は、ベースラインでDLQIスコアが1以上であった16歳以上の患者さんを対象に、DLQIスコアが0または1と定義。
これまで報告されているウパダシチニブの試験と比較して、新たな安全性のリスクは認められませんでした1-4。既報のとおり、Measure Up 1試験において16週間のプラセボ対照期間中に重篤な有害事象(SAE)が認められた割合は、ウパダシチニブ15 mg群で2.1%、30 mg群で2.8%、プラセボ群で2.8%でした1。Measure Up 2試験においてSAEが認められた割合は、ウパダシチニブ15 mg群で1.8%、30 mg群で2.5%、プラセボ群で2.9%でした1。Measure Up 1、Measure Up 2試験ともに、重篤な感染症がまれに報告されました1。Measure Up 1試験における重篤な感染症の発現率は、ウパダシチニブ15 mg群で0.7%、30 mg群で0.7%であり、プラセボ群では報告されませんでした1。Measure Up 2試験における重篤な感染症の発現率は、ウパダシチニブ15 mg群で0.4%、30 mg群で0.7%、プラセボ群で0.7%でした1。死亡、主要有害心血管事象(MACE)または静脈血栓塞栓関連事象(VTE)は、両試験のいずれの投与群でも報告されませんでした1。
Measure Up 1およびMeasure Up 2試験は、全身療法が対象となる中等症から重症の成人および青年(12歳以上)のアトピー性皮膚炎患者さんにおけるウパダシチニブ単剤療法の安全性および有効性を評価する同一デザイン、第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験です。患者さんは無作為に、ウパダシチニブ15 mg群、ウパダシチニブ30 mg群またはプラセボ群に割り付けられ、プラセボ群は、16週時にウパダシチニブ15 mgまたはウパダシチニブ30 mgのいずれかに割り付けられました。