アトピー性皮膚炎は、免疫学的にはアレルゲンに対する高い感受性があり、それに加え、臨床的には皮膚の強い炎症性皮疹と乾燥症状として特徴づけられます。また皮膚表皮の最外層である角層の機能面において、バリア機能、水分保持機能の低下が認められています。このような角層機能の低下により、アトピー肌は外部刺激に感受性が高く、一見、症状が寛解(改善し治まること)したように見えても、再発を繰り返しやすく、皮膚にあらわれる強いかゆみや刺激感とあわせて、患者のQuality of Life (QOL)を低下させます。そのため、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン※3においても、角層機能を正常化することによる症状の軽減や寛解状態の維持のために日常のスキンケアが推奨されています。
※4 Imokawa G, Abe A, Jin K, Higaki Y, Kawashima M, Hidano A. J Invest Dermatol 96:52,1991
※5 アトピー性皮膚炎患者においてはセラミドNH、セラミドNPが少なく、一方、セラミドNS、セラミドASは多く、また、セラミドNSの炭素鎖長が短いという特徴がある(Ishikawa J, Narita H, Kondo N, Hotta M, Takagi Y, Masukawa Y, et al. J Invest Dermatol 130:2511,2010)