2020年6月1日

https://www.cmicgroup.com/



シミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:中村 和男)は、慶應義塾大学(ウェルビーイングリサーチセンター、大学院システムデザイン・マネジメント研究科)との共同研究「PHR(パーソナルヘルスレコード)システムを活用した利用者のWellbeing(ウェルビーイング:健康・幸福度)の向上」の一環として、電子お薬手帳「harmo(ハルモ)」の基盤となる情報管理システムを活用し、個々人の予防接種データの電子的管理による適切で安全な予防接種の推進を目的とした研究開発を行います。



 



■研究の背景



近年、複数のワクチンが定期接種として接種可能となり公衆衛生が向上する一方で、ワクチンの種類によって接種可能年齢(月齢)や接種間隔および回数等が異なるため、接種回数・間隔の誤認に加え、期限切れワクチンの使用など予防接種に関する間違い(誤接種)の増加が報告されています※1。特に近年、生後2か月から11か月までの乳児期においては、予防接種の回数が増加※2しスケジュールが複雑化したこともあり、誤接種の抑止につながる対策が求められています。



 



■本研究について



1)電子お薬手帳として実績のあるharmoで予防接種を管理



本研究では、電子お薬手帳として実績があるharmoを基盤とし、新たに構築した予防接種管理の仕組みを活用した社会実験を実施します。神奈川県川崎市川崎区にて乳児期の予防接種を行う医療機関29施設にharmoのシステム機材(リーダー)を設置するとともに、これらの医療機関でワクチン接種予定の乳児400名を対象にharmoのICカードを配布し、必要な予防接種情報を登録します。受診時に医療機関のリーダーにそのICカードをタッチすることで、担当医師による対象者の予防接種情報・履歴の閲覧、登録が可能となります。



社会実験を通じて、医療機関におけるワークフローへの適合性の検証に加え、使用者の方々からの意見を収集・反映し、より実効性の高いシステムの確立を目指します。



 



2)予防接種における「接種間隔の間違い」等の低減



厚生労働省のまとめ※3によると、予防接種過誤の半数以上が「接種間隔の間違い」と報告されています。本研究では、医師が予防接種を行う前に各注射剤の箱の「GS1コード」をバーコードリーダーで読み込み、harmoのシステムが、過去の記録に基づき適切な接種間隔・回数・薬剤量、ワクチンの使用期限などをチェックします。チェックの結果はモニターに表示され、接種可否に関する医師の判断をサポートします。本システムにより、「接種間隔の間違い」「ワクチンの間違い」「期限切れワクチンの使用」などの既存の過誤における約 50%~70%の低減を目指します。



 



<参考画像>  



【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202005290379-O1-ZZxSHFq6



 



 



■研究実施予定期間:2020年6月1日から2023年3月31日まで



■研究対象者:神奈川県川崎市川崎区在住の生後2か月以降でワクチン未接種の乳児



■研究対象者の人数:400名(予定)



■共同研究における役割



【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105820/202005290379/_prw_PT1fl_2ul1Fs8o.png



 



慶應義塾大学医学部 小児科学教室 共同研究員 楢林 敦氏は以下の通り述べています。



 



「乳児期の予防接種は年々複雑化しています。小児科医として診療にあたっていても、限られた時間の中で紙の母子手帳でのチェックには限界を感じています。harmoを使って素早く、正確なチェックを行う取り組みが成功すれば、患者さんに大きな安心を与えられると思います。そのためにも予防接種の間違いを減らすことができたというエビデンスをしっかり出していきたいと考えています。患者さんはもちろん、医師にも大きなメリットがありますので、ぜひ成果を期待していただければと思います。」



 



 



シミックホールディングス 代表取締役CEO 中村 和男は以下の通り述べています。



「シミックグループは、“画期的なソリューションを通してヘルスケアに新たな価値を創造し、必要とされる医療やケアシステムを1日でも早く届けます”をミッションとしています。昨今のコロナウィルスに関する一連の事態からも予防医療の大切さが改めて世界に認識されています。今回の研究ではシミックの有するharmoという画期的なPHRソリューションを活用し、予防医療の代表ともいえる予防接種について、その安全性を高めるという価値の創造に挑んでまいります。これが医薬品の安全使用につながり、ひいてはすべての人々のWellbeingの向上に寄与していくことを願っています。」



 



動画:harmoの基盤を活用した予防接種管理への取り組み(5分2秒)



URL:https://youtu.be/if-LOKGCLhI



 



 



※1出典:平成29年10月24日 厚生労働省健康局健康課「予防接種の間違いの防止について」



※2出典:日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの変更点 2020年1月 日本小児科学会



※3出典:第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 資料5. 2019年8月7日



 



■harmoについて



harmo(ハルモ)は、シミックグループのヘルスケア事業を担うシミックヘルスケア・インスティテュート株式会社が提供する電子お薬手帳システムで、個人が自身の健康情報を管理するPHR(Personal Health Record)の考え方に基づいて設計されました。harmoは、スマートフォンアプリケーションに加え、専用カードを利用した電子お薬手帳としての特徴を有しています。2020年4月現在、スマートフォンアプリケーションおよび専用カードを合わせ約40万人の利用者を擁し、全国12,000軒以上の薬局で利用実績のある、日本で最大級のPHRプラットフォームです。また、harmoは、個人を容易に特定する情報と健康データを物理的に分離して管理することで、匿名性を維持したままサービスを介して特定の個人への情報提供・収集を可能とする革新的なテクノロジーを基礎としています。詳細は公式HPをご覧ください(http://www.harmo.biz/)。



 



 



■シミックホールディングス株式会社



シミック(CMIC)は、1992年に日本で初めてCRO(医薬品開発支援)事業を開始し、今では開発から製造、営業・マーケティングまでの医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。現在、シミックグループは、日本で最大級のCROであると同時に、医薬品開発、SMO(治験施設支援)、臨床からGMPに準拠した医薬品製造、薬事コンサルティング、そして営業およびマーケティングソリューション等における包括的なサービスを提供しています。また、製薬・バイオテクノロジー・医療機器の企業の日本市場参入や、アジアでの臨床試験実施、米国、ヨーロッパ、日本およびアジア各国における医薬品開発および製造のサポートなども積極的に行っております。シミックグループは、世界中に7,000人を超える従業員と25支社・関連会社を擁しています。 詳しくはホームページをご覧ください。 https://www.cmicgroup.com



 



 



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 シミック、慶應義塾大学と電子お薬手帳harmoの基盤を活用し適切な予防接種管理の推進を目指す共同研究開始