多様なルーツをもつ子どもたちの夢をひらく新たな支援モデルの提示に向けて助成対象事業がスタートします。



2020年5月8日

(公財)日本国際交流センター



公益財団法人日本国際交流センター(理事長:大河原昭夫)は、休眠預金等活用法に基づく資金分配団体として、「外国ルーツ青少年未来創造事業―外国にルーツをもつ子供・若者の社会的包摂のための社会基盤作り」の助成対象事業を決定しました。外国ルーツ青少年を対象にした過去最大の助成事業(3年間約1億8千万円)に採択された7つの事業が新たな支援のモデルの提示に向けてスタートします。



外国ルーツ青少年が必要とする学習支援、進路指導、就労支援等の活動を行う全国の公益活動団体を対象とした助成公募により採択された事業は、 新たなアプローチで社会課題の解決に取り組み、新たな支援モデルを提示、発信していくことを目指す特徴があります。 具体的には、①超少子高齢化が進む都市部・地方部において外国ルーツ青少年を重要な地域社会の資源として位置付けなおす啓発的な取り組みや、②既存の公益活動における多文化対応の推進による社会的インフラの変革、③外国ルーツ青少年の社会的・経済的自立に向けたキャリア形成の支援ツールの開発、④等しい教育機会の提供のための包括的支援モデルの構築等、新たな発想・視点に立って事業を進めていきます。



外国ルーツ青少年とその家族が、今回の新型コロナウイルスの感染拡大により生活、経済面で影響を一層受けると予想される中、長期的な視点から外国ルーツ青少年の社会的・経済的自立に向けて支援の在り方及び制度の抜本的な変革を目指す本事業の社会的意義は、今後さらに大きくなると考えられます。



日本国際交流センターでは、本事業を通じて、多様なルーツをもつ子どもたちがそれぞれの夢をひらいていけるよう、外国ルーツ青少年にかかわる法制度や支援の在り方についての啓発、政策提言と新たな支援モデルの提示に向けて取り組んでいきます。



多様なルーツをもつ子ども・若者が夢をひらいていけるよう、多くの方のご支援、ご協力をお願い申し上げます。



【外国ルーツ青少年未来創造事業―助成対象事業】

                      (50音順、助成総額は3年間(2020年度~22年度)の金額)

◆「移民2世・3世のキャリア形成に向けた青少年未来創造事業」

   特定非営利活動法人ABCジャパン (神奈川県、助成総額:約3,250万円)

◆「大阪市生野区における『多文化共生のまちづくり拠点』の構築事業」

   IKUNO・多文化ふらっと (大阪府、助成総額:約2,640万円)

◆「外国ルーツ青少年(高校生)向け進路・キャリアの支援・相談及びロールモデルコミュニティ創出事業」   glolab (東京都、約2,970万円)

◆「教育と仕事をつなげる愛知モデル構築プロジェクト」

   一般社団法人DiVE.tv(愛知県、助成総額:約2,070万円)

◆「公益活動における海外ルーツ青少年受け入れ体制推進事業」

   特定非営利活動法人青少年自立援助センター (東京都、助成総額:約3,430万円)

◆「CLD(Culturally and Linguistically Diverse)青少年のための市民性教育プログラム」

   高岡外国人の子どものことばと学力を考える会(アレッセ高岡) (富山県、助成総額:約1,790万円)

◆「『一人も取り残さない』ための包括的学習支援展開事業」

  社会福祉法人さぽうとにじゅういち (東京都、助成総額:約2,500万円)



助成対象事業の詳細は、こちらからご確認いただけます。



*「外国ルーツ青少年未来創造事業」とは

日本国際交流センター(JCIE)は、「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」に基づき一般財団法人日本民間公益活動連携機構が実施した資金分配団体の公募にて、唯一日本に暮らす外国にルーツをもつ子ども・若者を対象とした事業を提案し、選定された。

外国ルーツ青少年は、バックグラウンドの多様性から日本社会に新たな可能性をひらく存在でありながら、義務教育の対象ではない等学習・就労機会や環境等が保障されておらず、日本で最も忘れ去れた存在である。その結果、日本人と比べて極めて高い不就学率や非正規雇用率、また極めて低い高校・大学進学率や在籍率が象徴するように、教育や就労等で様々な壁にぶつかり、孤立や貧困等の社会経済的な困難を抱えやすい状況に置かれている。

日本国際交流センターでは、こうした外国ルーツ青少年の抱える複合的な問題・課題の解決に向け、外国ルーツ青少年が必要とする学習支援、進路指導、適応支援、就労支援を行う団体への助成と伴走支援を通じて、地域社会における基盤作りをサポートする。また、外国ルーツ青少年が社会的に孤立することなく日本での安定的な地域を達成することができる制度的基盤作りに向けて啓発、制度・施策の変革のためのアドボカシー活動を進めていく。



(公財)日本国際交流センターとは

日本国際交流センター(JCIE)は、民間レベルでの政策対話と国際協力を推進する公益法人。民間外交のパイオニアとして、1970年の設立以来、非政府・非営利の立場からグローバルな知的交流事業を実施している。東京とニューヨークを拠点に、外交・安全保障、民主化とガバナンス、グローバルヘルス(国際保健)、女性のエンパワメント、グローバル化と外国人財など、多角的なテーマに取り組む。2020年に創立50周年を迎えた。



 



 



 



 



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 日本国際交流センター 「外国ルーツ青少年未来創造事業」の助成対象事業を決定