今回のCHMPの承認勧告は、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法の有効性および安全性をクロラムブシル/オビヌツズマブ併用療法と比較した第III相CLL14臨床試験の結果に基づいています。主要評価項目は、治験担当医師の評価に基づく無増悪生存期間(PFS、病勢進行または死亡のみられない期間)でした。解析が行われた時点で、治験担当医師の評価に基づき、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法を受けた患者さんにおいて、オビヌツズマブ/クロラムブシル併用療法と比較して、優れたPFSを達成したことが示されました。有害事象(AE)は、ベネトクラクスとオビヌツズマブ各単剤の既知の安全性プロファイルと一致していました。グレードを問わない1件以上のAEがベネトクラクス併用群の94.3%で認められ、最も多く認められたグレード3/4のAEは、発熱性好中球減少症および感染症でした。腫瘍崩壊症候群(TLS)が、ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法群のうち3例の患者さんで報告されました(全例がオビヌツズマブの投与中に報告され、ベネトクラクスの投与前でした)1。CLL14試験の結果は、2019年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)の年次総会にて発表され、New England Journal of Medicine誌に掲載されました。
CLL14試験の主導医師、ドイツのケルン大学病院内科部長兼ケルン・ボン総合腫瘍センター長、かつGerman CLL Study Group長のマイケル・ハレック医師は次のように述べています。「従来からCLL患者さんの初期治療として化学療法が用いられています。ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法が欧州で承認されれば、未治療の患者さんに、初めて一定投与期間の化学療法を含まない治療選択肢が提供されることになります。ベネトクラクス/オビヌツズマブ併用療法の早期使用は、転帰を改善することが示されていることから、CLLに対する治療パラダイムを変化させ、患者さんの病勢進行を伴わない生存の延長を実現できる可能性があります」
アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2018年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する記述を更新する義務を負わないものとします。
1. Fischer K, et al. Effect of fixed-duration venetoclax plus obinutuzumab (VenG) on progression-free survival (PFS), and rates and duration of minimal residual disease negativity (MRD–) in previously untreated patients (pts) with chronic lymphocytic leukemia (CLL) and comorbidities. Presented at the 2019 American Society of Clinical Oncology Annual Meeting: June 4, 2019;Chicago.