2020年1月6日



大鵬薬品工業株式会社



大鵬薬品、アステックス社、MSD

オンコロジー領域での戦略的提携に関する契約締結のお知らせ



大鵬薬品工業株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、 以下「大鵬薬品」)は、大塚製薬子会社のアステックス社(本社:英国ケンブリッジ、CEO:ハーレン・ジョティ)、およびMerck &Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (本社:米国ニュージャージー州ケニルワース、CEO:ケネス・C・フレージャー、北米およびカナダ以外ではMSD、以下「MSD」)の子会社と、KRASがん遺伝子を含む複数の薬剤ターゲットに対して開発中の低分子阻害剤に特化したグローバルでの研究提携とライセンスに関する独占的契約を締結したことをお知らせします。



KRASはヒトのがんにおいて最も高い頻度で変異がみられるがん遺伝子の1つです。膵がんのうち約90%*1、非小細胞肺がん(NSCLC)のうち20%*2で起こると推測されており、予後不良因子としての報告もあります。



大鵬薬品、アステックス社、MSDは本契約下で各々の研究プログラムにある前臨床段階の候補化合物やそのデータ、専門的知識と技術を共有します。低分子阻害剤の候補化合物の独占的グローバルライセンスをMSDに付与する対価として、大鵬薬品とアステックス社は契約一時金5,000万米ドル、そして提携から生じる複数の化合物で前臨床試験、臨床試験、承認また販売マイルストーンの達成に付随し、合計で最大約25億米ドル、また売り上げに対する段階的なロイヤルティを受け取る権利を得ます。MSDは研究開発資金を提供し製品の全世界での商業化を実施します。大鵬薬品は日本における共同での商業化、そして東南アジア地域の一部でプロモーションを行う権利を保有します。



大鵬薬品 常務取締役の宇津木照洋は「当社は独自の創薬プラットフォームを活用し低分子阻害剤を創製してきました。今回の提携は、当社がこれまでKRAS遺伝子を標的とした創薬に注力してきた成果です。MSDとの提携を通じて、3社の研究力を融合することで、高度な専門性や研究リソースの活用が可能となり、複数のKRAS変異を標的とする創薬プログラムに関する全世界での研究、開発と商業化を大きく加速することを期待しています」と述べています。



アステックス社のCEOハーレン・ジョティは「私たちは大鵬薬品とともに、がん創薬のグローバルリーダーであるMSDとこのような戦略的提携で協働できることを大変うれしく思います。本提携は、当社がフラグメント創薬におけるリーダーであることの新たな証でもあります」と述べています。



MSD研究開発本部責任者のRoger M. Perlmutter博士は「当社は、高い選択性を持つ治療法のメリットをより多くのがん患者さんにお届けする新たな方法を模索し続けています。今回の大鵬薬品およびアステックス社との契約により、各々の低分子候補化合物と業界屈指のがん細胞シグナル伝達における専門性を統合し、最も有望な候補化合物を臨床研究に進めることが可能になります」と述べています。



*1. Journal of Cell Science (2016) 129, 1287-1292

*2. Journal of the National Comprehensive Cancer Network;Cancer Genome Atlas Research N. Nature 2014;511:543-50



【大鵬薬品について】



大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め 満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」、「免疫・アレルギー」、「泌尿器」の3領域に特化した研究開発型スペシャリティファーマです。特にがん領域においては、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的に推進しています。がん領域以外におきましても生活の質の向上に貢献できる製品を販売しています。また、コンシューマーヘルスケア事業でもお客さま志向を第一に愛情豊かな暮らしを支える製品作りに注力しています。大鵬薬品の詳細については、https://www.taiho.co.jpをご参照ください。



【アステックス社について】



アステックス社は、米国カリフォルニア州に臨床研究所、英国ケンブリッジに創薬研究所を構えるバイオテックカンパニーです。同社は、2011年7月に、「ダコジェン®」を開発したスーパージェン社(1991年設立、米国)が、アステックス セラピューティック社(1999年設立、英国)を合併し設立されました。2013年10月に大塚製薬が買収したことにより、アステックス社は大塚製薬の子会社となりました。これまでにがん・中枢領域において有望な化合物を創製し、海外では複数の品目が承認されています。



【MSDについて】



MSDは1世紀以上にわたり、グローバルにおけるバイオ医薬品のリーディングカンパニーとして、人々の生命を救い、人生を健やかにするために、世界で最も治療が困難な病気のための革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDは、Merck &Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称です。世界140カ国以上で事業を展開し、医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品およびアニマルヘルス製品の提供を通じて革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。また、さまざまなプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。MSDは、がん、生活習慣病、新たな動物病、アルツハイマー病、HIVやエボラなどの感染症をはじめ、世界中で人々やコミュニティを脅かしている病気の治療や予防のために、研究開発の最前線に立ち続けています。





情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 大鵬薬品、アステックス社、MSD オンコロジー領域での戦略的提携に関する契約締結のお知らせ