1984年にサンフランシスコのアパレルメーカー、エスプリ社にアートディレクターとしてダグラス・トンプキンスに招かれる。広告からカタログ、パッケージ、商品のブランディングやストアディスプレイまで、八木が手掛けたエスプリの象徴的なビジュアル表現は「エスプリ・グラフィック・ルック」として世界中から評価される。1986年にAIGA(American Institute of Graphic Arts/アメリカのグラフィックデザイン協会)のデザインリーダーシップ賞を受賞、1990年にはAGI(Alliance Graphique International)にメンバーとして迎えられる。翌1991年に独立、サンフランシスコにTamotsu Yagi Designを設立する。1995年には100点を超える八木のデザインワークがサンフランシスコ近代美術館(SF MOMA)の永久コレクションに選ばれ、同美術館の開館を記念して展示が行われた。同年、芸術分野で活躍するアジア人に与えられる貢献賞をアメリカ政府より受賞。
代表作にFoundation Beyeler(レンゾ・ピアノ設計)のアートディレクション、スティーブ・ジョブスに依頼されたApple Storeのコンセプトデザイン、21_21 Design Sight(安藤 忠雄 設計)で行われた「倉俣史朗とエットレ・ソットサス」展のアートディレクションなどがある。近年ではJapan House Los Angelesのクリエイティブディレクターとしてプロジェクトに取り組み、ロサンゼルスのべニスを拠点に、様々なデザインプロジェクトに取り組んでいる。