2019年11月13日



アッヴィ合同会社



ウパダシチニブ、関節症性乾癬に対する第III相試験において、主要評価項目および全ての重要な副次評価項目を達成



●肯定的なトップラインの試験結果では、他の生物学的製剤(bDMARD)で十分な効果が認められなかった活動性関節症性乾癬の成人患者さんを対象に、プラセボ群との比較で、ウパダシチニブの両用量群(15 mgおよび30 mg、1日1回投与)が主要評価項目、投与12週時のACR20を達成1

●12週時のACR20達成率は、プラセボ群の24%に対し、ウパダシチニブ15 mg群は57%、30 mg群では64%1

●16週時のPASI 75達成率は、プラセボ群の16%に対し、ウパダシチニブ 15 mg群および30 mg群でそれぞれ52%と57% 1

●24週時の最小疾患活動性達成率は、プラセボ群の3%に対し、ウパダシチニブ15mg群および30mg群ではそれぞれ25%および29%1

●ウパダシチニブの安全性プロファイルは、過去に様々な適応症を対象に実施した試験と一致、新たな安全性リスクは検出されず1,2





イリノイ州ノースシカゴ、2019年10月31日(米国時間)-グローバルなバイオ医薬品企業であるアッヴィは、SELECT-PsA2第III相試験における主要なデータを発表しました。本試験は1種類以上の 生物学的製剤(bDMARD)で十分な効果が認められなかった活動性関節症性乾癬の成人患者さんを対象にした臨床試験で、投与12週時のACR達成率において、ウパダシチニブ群はいずれの用量群(15mgおよび30mg、1日1回投与)においても、プラセボ群と比較して、主要評価項目を達成しました1。また全ての重要な副次評価項目については、プラセボ群との比較で、ウパダシチニブの両用量群において有意な結果が認められました1。SELECT-PsA2試験は、活動性関節症性乾癬を有する成人患者さんを対象に、ウパダシチニブの有効性および安全性を検討する初めての試験です1。ウパダシチニブは、アッヴィが発見し開発した治療薬で、JAKを選択的かつ可逆的に阻害する1日1回投与の治療法として、関節症性乾癬およびその他の免疫関連疾患を対象に試験が行われています1,3-10。



アッヴィのバイスチェアマン兼プレジデントであるマイケル・セヴェリーノ医学博士(M.D.)は次のように述べています。「関節症性乾癬を有する患者さんのうち、非常に多くの方々が未だ治療目標を達成できていないことから、新たな治療選択肢に対する明確なメディカルニーズが存在しています。今回得られたデータから、多様な症状を呈する関節症性乾癬患者さんのアウトカムがウパダシチニブにより改善できる可能性があることが示されたことを大変うれしく思います。この第III相試験のデータは、関節症性乾癬に対するウパダシチニブの承認申請を進めるための重要な裏付けとなるでしょう」



本試験における12週時のACR20達成率(ACR20を達成した患者さんの割合)は、プラセボ群の24%に対して、ウパダシチニブ 15 mg群および30 mg群で、それぞれ57%および64%でした(p<0.0001)1。また12週時のACR50達成率は、プラセボ群の5%に対して、ウパダシチニブ 15 mg群および30 mg群ではそれぞれ32%および38%でした(p<0.0001)1。同時点でのACR70達成率はプラセボ群の0.5%に対して、ウパダシチニブ15mg群および30mg群では、それぞれ9%と17%でした(p<0.0001)1。さらに、ウパダシチニブを投与された患者さんにおいて、健康評価質問票を用いて機能障害指数(HAQ-DI)を測定した12週時の身体機能に改善が認められました。16週時では、ウパダシチニブによる皮膚症状の改善がみられ、乾癬の面積および重症度指数である75%の改善(PASI 75)を達成した患者さんの割合は、プラセボ群の16%に対し、ウパダシチニブ 15 mg群および30 mg群ではそれぞれ52%および57%でした(p<0.0001)1。24週時の最小疾患活動性(MDA)達成率は、プラセボ群の3%に対し、ウパダシチニブ 15 mg群および30 mg群ではそれぞれ25%および29%でした(p<0.0001)1。



【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201911123401-O1-eS9c0BTs

†主要評価項目は投与12週時のACR20。報告されたすべての評価項目について、両用量群がプラセボ群と比較してp値<0.0001を達成。すべての重要な副次評価項目は示されていません。

a ACR20/50/70は、圧痛関節数および腫脹関節数のベースラインからの20%/50%/70%以上の減少、且つ米国リウマチ学会コアセットの残り5項目(患者さんによる疼痛度の評価、疾患活動性の全般的評価、身体機能の評価、医師による疾患活動性の全般的評価および急性期反応物質)のうち3項目以上におけるベースラインからの20%/50%/70%以上の改善と定義。

b HAQ-DIは、衣服の着脱と身支度、起立、食事、歩行、衛生、リーチ範囲、握力および日常生活の動作などを患者が報告する健康評価質問票を用いた機能障害指数におけるベースラインからの変化量と定義。健康評価質問票は、これらの活動で経験する困難の程度と手助けおよび器具の使用について患者自身が評価。

c PASI 75は、乾癬の面積および重症度指数(PASI)における75%の改善と定義。ベースライン時の乾癬が体表面積(BSA)3%以上の患者を対象に評価を実施。

d MDAは、7項目のアウトカム指標(圧痛関節数(TJC)1以下、腫脹関節数(SJC)1以下、PASI 1以下または体表面積-乾癬(BSA-Ps)3%以下、患者評価による疼痛の数値評価スケール(NRS)1.5以下、患者による全般的評価(PtGA)-疾患活動性のNRS 2.0以下、HAQ-DIスコア0.5以下およびリーズ付着炎指数(LEI)1以下)のうち5項目を達成していることと定義。



本試験におけるウパダシチニブの安全性プロファイルは、過去に報告された関節リウマチ患者さんを対象とした試験で認められたものと一致し、新たな安全性リスクは検出されませんでした1,2。24週までに重篤な感染症が発現した患者さんの割合は、プラセボ群の0.5%に対して、ウパダシチニブ 15 mg群および30 mg群ではそれぞれ0.5%および2.8%でした1。ウパダシチニブ 15 mg群で肺塞栓症が1件報告され、30 mg群およびプラセボ群では報告されていません。また、ウパダシチニブ 15 mg群で主要な心血管系イベント(MACE)と判定された非致死性の有害事象(急性心筋梗塞)が1件認められました。30 mg群およびプラセボ群ではMACEは認められませんでした。プラセボ群の患者さん1例で死亡が報告されました(自動車事故)。



関節症性乾癬は多様な病態を持つ全身性炎症性疾患で、関節および皮膚に顕著な症状が現れ、全世界で5,000万人を超える患者さんが罹患しています11,12。関節症性乾癬では、免疫系によって炎症が生じ、疼痛、疲労、関節のこわばりに至ることがあります11。



SELECT-PsA2試験で得られた結果はすべて、今後開催される医学学会および査読論文で発表予定です。





SELECT-PsA2試験について1,13

SELECT-PsA2試験は、1種類以上のbDMARDで効果不十分な活動性関節症性乾癬の成人患者さんを対象にウパダシチニブの安全性および有効性を評価するためにデザインされた第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照試験です。患者さんはウパダシチニブ 15 mg群、ウパダシチニブ 30 mg群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、24週時にウパダシチニブ 15 mgまたはウパダシチニブ 30 mgの投与を受けました。



主要評価項目は投与12週間後にACR20を達成した患者さんの割合としました。副次評価項目はHAQ-DIのベースラインからの変化量、12週時にACR50およびACR70を達成した患者さんの割合、16週時にPASI 75を達成した患者さんの割合、24週時にMDAを達成した患者さんの割合などでした。本試験は進行中で、長期継続投与期間では盲検を維持したまま、プラセボ対照期間を完了した患者さんを対象にウパダシチニブ 2用量、1日1回投与(15 mgおよび30 mg)の長期安全性、忍容性および有効性を評価します。この試験に関する詳しい情報はwww.clinicaltrials.gov(NCT03104374)で閲覧可能です。



ウパダシチニブについて

アッヴィが発見し開発したウパダシチニブは、選択的かつ可逆的なJAK阻害薬で、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に試験が行われています1-10。2019年に入って、ウパダシチニブは中等度から重度の活動性関節リウマチの成人患者さんを対象として米国食品医薬品局の承認を受けました。また、ウパダシチニブは欧州連合のヒト用医薬品委員会から承認勧告を受領し、現在、欧州委員会による最終承認待ちとなっています。関節症性乾癬、クローン病、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎および巨細胞性動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中で、さらに、強直性脊椎炎の治療薬としての研究も進められています1,6-10。



ウパダシチニブに関する重要な安全性情報





ウパダシチニブの米国における使用および重要な安全性情報

ウパダシチニブは、中等度から重度の関節リウマチを有し、MTXにより効果不十分または不耐容であった成人患者さんの治療を適応とする処方薬です。ウパダシチニブの18歳以下の小児に対する安全性および有効性は確立されていません。



ウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報はどのようなものでしょうか

ウパダシチニブは免疫系が感染症と戦う能力を弱める薬剤です。何らかの感染症が認められる場合は、担当の医療従事者が認めない限り、ウパダシチニブの服用を開始しないでください。



・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、重篤な感染症が発生しています。重篤な感染症には、結核および細菌、真菌、またはウイルスが原因で起こる全身に広がる感染症があります。これらの感染症による死亡例もあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが結核に感染しているか検査し、ウパダシチニブ投与中に結核の徴候や症状があるか慎重に確認しなければなりません。帯状疱疹を発現するリスクが増加する可能性があります。

・ウパダシチニブを服用している患者さんで、リンパ腫や皮膚癌を含むその他の癌が発生することがあります。

・ウパダシチニブを服用している患者さんの一部で、脚または肺の静脈や動脈に血栓が生じる可能性があります。これらは、生命を脅かす、または死に至る可能性があります。

・胃または腸に裂傷が生じることがあります。また、一部の臨床検査値結果に変化が生じることがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与前および投与中に、血液検査を行わなければいけません。その血液検査結果に変化が認められた場合、必要に応じて一定期間ウパダシチニブの投与を中断する可能性があります。



ウパダシチニブの服用開始前にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか

次のような場合、担当の医療従事者に伝えてください。

・感染症の治療を受けている、治らない感染症がある、ぶり返す感染症がある、または次のような感染症の症状がある場合。

○ 熱、発汗または悪寒

○ 息切れ

○ 皮膚の熱感、発赤もしくは疼痛、または体部の疼痛

○ 筋肉痛

○ 疲労感

○ 血液の混じった痰

○ 下痢または胃痛

○ 咳嗽

○ 体重減少

○ 排尿時の灼熱感または通常より頻回の排尿

・結核に感染している、または結核患者との密な接触がある場合。

・何らかの癌、B型またはC型肝炎、帯状疱疹、脚や肺の静脈血栓、憩室炎(大腸の一部の炎症)、もしくは胃潰瘍または腸の潰瘍の既往歴がある場合。

・肝疾患、血球数低値、糖尿病、慢性肺疾患、HIV、免疫系が弱いなどの他の医学的病態がある場合。

・特定の真菌感染にかかるリスクを増加させる地域、例えばオハイオ川流域、ミシシッピ川流域、南西部に住んでいる、住んでいた、または旅行をしたことがある場合。これらの地域に行ったことがあるか不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。

・最近ワクチンを接種した、またはワクチン接種を予定している場合。ウパダシチニブを服用する患者さんは、生ワクチンを接種してはいけません。

・妊娠している、または妊娠を計画している場合。動物を用いた試験に基づくと、ウパダシチニブは胎児に害を及ぼすおそれがあります。担当の医療従事者は、ウパダシチニブの投与開始前にあなたが妊娠しているかどうか検査します。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも4週間は、妊娠を避けるため効果的な避妊を行ってください。

・授乳中または授乳を計画している場合。ウパダシチニブは母乳に移行する可能性があります。ウパダシチニブ投与中と最終投与後少なくとも6日間は授乳しないでください。



処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントなど、服用している薬剤をすべて担当の医療従事者に伝えてください。ウパダシチニブと他剤が互いに影響し合い、副作用を引き起こすおそれがあります。



特に、次の薬剤を服用している場合は、担当の医療従事者に伝えてください。

・真菌感染または細菌感染に対する薬剤

・リファンピシンまたはフェニトイン

・免疫系に影響を及ぼす薬剤

これらの薬剤を服用しているか不確かな場合は、担当の医療従事者または薬剤師にお尋ねください。



ウパダシチニブの服用開始後にどのようなことを担当の医療従事者に伝えるべきですか

次のような場合は、直ちに担当の医療従事者に伝えてください。

・何らかの感染症の症状を認めた場合。ウパダシチニブにより、感染症にかかりやすくなることがあります。また、感染症を悪化させることがあります。

・ウパダシチニブ投与期間中に次のような血栓の徴候または症状を認めた場合。

○ 腫脹

○ 脚の痛みまたは圧痛

○ 突然の原因不明の胸痛

○ 息切れ

・引かない発熱または治らない腹部の痛みがあった場合、および排便習慣の変化があった場合。



ウパダシチニブの主な副作用は、どのようなものですか

主な副作用としては、上気道感染(感冒、副鼻腔感染)、悪心、咳嗽、発熱などがあります。この他にもウパダシチニブの副作用が発生する可能性があります。



ウパダシチニブは、1日1回の服用です。食前食後は問いません。錠剤を分割したり、潰したり、砕いたり、噛み砕いたりしないでください。担当の医療従事者の指示通りにウパダシチニブを服用してください。



以上がウパダシチニブについて認識しておくべき最も重要な情報です。詳しい情報については、担当の医療従事者にご相談ください。





処方薬の副作用をFDAに報告することが奨励されています。ウェブサイト

www.fda.gov/medwatch または電話番号1-800-FDA-1088 から報告してください。



薬剤のお支払いが難しい場合は、アッヴィがお手伝いできるかもしれません。詳細については、AbbVie.com/myAbbVieAssistをご参照ください。

詳細な処方情報についてはこちらを、服薬ガイドについてはこちらをクリックしてください。



アッヴィについて

アッヴィは、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品企業です。世界で最も複雑かつ深刻な疾患に対する、革新的な先進治療薬の開発を行っています。その専門知識、献身的な社員、イノベーション実現に向けた独自の手法を通じて、免疫疾患、がん、ウイルスおよび神経疾患の4つの主要治療領域での治療を大きく向上させることをミッションに掲げています。世界中の人々が持つ健康上の課題への解決策を進歩させるため、75カ国以上の国でアッヴィ社員が日々取り組んでいます。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。



アッヴィ 今後の見通しに関する記述

本リリースにおける記載には、1995年米国私募証券訴訟改革法に示される「今後の見通しに関する記述」が含まれています。「確信」「期待」「予測」「計画」という言葉およびそれに類する表現は、一般に将来予想に関する記述となります。当社からの注意喚起として、このような将来予想に関する記述はリスクおよび不確実性による影響を受け、実際の結果と将来予想に関する記述での予測との間に大幅な相違が生じる可能性があります。このようなリスクおよび不確実性には、知的財産に対する脅威、他社製品との競合、研究および開発プロセスに特有の困難、敵対的訴訟または政府による介入、業界に関連する法律および規制の変更などがあります。



アッヴィの経営に影響を及ぼす可能性のある経済、競合状況、政府、科学技術およびその他の要因については、Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に提出済みのアッヴィの2018年度アニュアルレポート(10-K書式)の1A項「リスク要因」に記載しています。アッヴィは、法律で要求される場合を除き、本リリースの発表後に発生した出来事または変化によって、今後の見通しに関する記述を更新する義務を負わないものとします。





情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 ウパダシチニブ、関節症性乾癬への第III相試験において、主要評価項目と全ての重要な副次評価項目を達成