アッヴィは、多発性骨髄腫の治験薬としてベネトクラクスを評価するすべての試験に対し、FDAが部分的な実施保留命令を指示したことを2019年3月に発表しました。この実施保留命令は、再発/難治性多発性骨髄腫の患者さんを対象にベネトクラクスとボルテゾミブおよびデキサメタゾンの併用投与(Ven+Vd)とプラセボ投与(プラセボ+Vd)を比較する第III相BELLINI 試験のデータを評価した後に下されました。このBELLINI 試験のデータでは、ベネトクラクス群の死亡率[194例中41例(21%)]が、試験の対照群[97例中11例(11%)]よりも高いことが示され、全生存のハザード比(HR)は2.027[95%信頼区間(CI):1.042~3.945]でした。最も多かった死因は病勢進行(45%)でした。重篤な有害事象(48% vs. 50%)および重篤な感染(28% vs. 27%)の発現率は、両群間で同程度でした2。
BELLINI試験では、主要評価項目である無増悪生存(PFS)の改善が達成され[22.4カ月 vs. 11.5カ月(ハザード比0.63、p=0.01)]、追跡期間中央値は18.7カ月でした。ベネトクラクス群では対照群と比較して、全奏効率(ORR)(82% vs. 68%、p<0.01)および非常によい部分奏効(very good partial)以上の奏効率(59% vs. 36%、p<0.01)で統計学的に有意な改善が確認されました。全生存期間は中央値に到達しませんでした[HR 2.027、95%CI:1.042~3.945]2。
ベネトクラクス群で発生した死亡例の大多数は、感染および病勢進行と関連していることが安全性解析で示されました。試験集団のうち52例が死亡し、その内訳はベネトクラクス群で41例(21%)、プラセボ群では11例(12%)で、最も多かった死因は病勢進行でした(45%)。重篤な有害事象の発現率(48% vs. 50%)および重篤な感染の発現率(28% vs. 27%)は、両群間で同程度でした2。