2018年11月26日



ダイキン工業株式会社



オーストリアの冷凍・冷蔵ショーケース大手AHT社を買収

コールドチェーンをカバーする商品を拡充、空調との統合システム提案を強化



ダイキン工業株式会社(本社:大阪市、社長兼CEO:十河政則)は、欧州の商業用冷設市場におけるリーディングカンパニーであるAHT社(本社:オーストリア)を買収することを決定しました。

買収価格は881百万ユーロ(1ユーロ=130円換算で1,145億円)です。子会社のダイキンヨーロッパ社(Daikin Europe N.V.、本社:ベルギー、社長:三中政次)を通じて、AHT社への出資者であるブリッジポイント社(本社:イギリス)から全株式を取得し、必要な手続きを経た上で、2019年1月に買収を完了する予定です。

当社は、戦略経営計画「FUSION20」で、重点施策の1つとして商業用冷設事業の拡大を掲げました。欧州は、世界で2番目の市場規模があり、省エネ・冷媒に関する環境規制が追い風となっています。欧州では2000年以降、スーパーマーケットやコンビニエンスストア向けの省エネ性の高い冷凍・冷蔵システムの販売を強化してきました。これらに加えて、2016年にイタリアの業務用冷凍・冷蔵機器メーカーのザノッティ社を買収し、食品の加工・貯蔵庫向けの産業用、海上コンテナ用や陸上のトラック・バン向けの輸送用冷凍機など、事業領域を拡大してきました。一方で、コールドチェーンで最も顧客と接点の多いショーケースを持っておらず、戦略的な補強が求められていました。

AHT社は、スーパーマーケット向けに展開している冷凍・冷蔵ショーケース専業メーカーです。冷凍ユニットが内蔵されているタイプのショーケースではナンバーワンのシェアを誇り、店舗の形態に応じた新商品を積極的に投入し、市場をリードしてきました。さらに、店舗設計のノウハウと高い技術力を活かしてグローバルでチェーン展開する大手の有力顧客を持っています。

今回の買収により、AHT社が持つショーケースが商材として加わることで、当社が持つ空調と冷凍・冷蔵機器の幅広い製品群をもとにした商品・サービスや、新たな省エネ・環境ソリューション、さらには快適な買い物空間のトータルコーディネートに至るまで、ワンストップで顧客に提供できるようになります。欧州で事業基盤を固め、北米はじめ経済成長が著しく冷凍・冷蔵のニーズが急激に伸びるアジアにも挑戦していきます。

商業用冷設事業は、社会課題の解決に大いに貢献できる事業です。当社が培ってきた省エネ・インバータ・冷媒制御などの環境技術を活かせる余地が大きく、今後の食料需要の増大、食品安全意識の向上など世界的に高まるニーズに対して、エネルギーや環境を中心としたサービス・ソリューションを切り口に新たな価値を提供していきます。



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 オーストリアの冷凍・冷蔵ショーケース大手AHT社を買収